天才児をつくる胎教!?
子どもにはできるだけの教育をしてあげたい |
しかし、大切なのは早期からの知育教育ではなく、豊かな心を育てる情操教育の方ではないかと私は思います。早ければ早いほど良いということで、2歳や3歳の幼児に漢字を書かせたり、判断・分析が必要な教育をしたり、という内容のものが本当に子どもの将来に役立つのでしょうか?たくさんの知育玩具や教材を見ながら、判断・分析をするタイプの早期教育には、弊害を唱える小児科医や学者もいます。
3歳までは情報を言語で処理できない、理屈でものごとを考える時期ではないからこそ、美しいものや温かいものに触れて、感情的に満ちながら、いろんな世界とむすびつくことが大切だと思います。私も実践しているヨーロッパの伝統医療・ホメオパシーを日本に紹介した由井寅子先生は「7歳までは判断・分析系の教育ではなく、ワクワクさせてあげるような遊びが大事」とおっしゃっていました。
情操を育むことが、やがて知育につながる
もちろん、お腹の赤ちゃんのために妊娠中からできることはたくさんあります。まずは、「教育しなくちゃ!」と意気込むのではなく、自分自身がリラックスして過ごすこと。そして、良いイメージを描けるような良質な音楽を聴くなどの美しいものに触れること。「音楽やアートって、芸術家に育てるの?」というわけではなく、音楽やアートでワクワクする気持ちに出会うことが肝心なのです。また、子ども時代は、子どもらしく思いっきり遊ぶことのほうが大切。「優秀な警察犬を育てるためには、子犬時代にうんと遊んでいることが大切である」というお話を聞いたときに、とても納得しました。子犬の頃から犯人の手がかりの匂いをかがせて、間違えたら「ダメ!」などと言ってペシッとやられていたら、犬だってワクワクしません。それよりも、広場で走り回ってボールを取りに行く遊びや、たくさんあま噛みをやらせてあげて、たっぷりよだれを垂らしながら元気に遊ぶことが大事なのです。
人間だってそうです。子ども時代はたっぷり遊ぶ。そうすることで、後々、勉強を学ぶべき年頃になったら、好奇心いっぱいでワクワクしながら学べる子になります。
また、「これができたからえらいね」という「行動の承認」だけでなく、何も出来なくても受け入れられているという実感を子どもは求めています。ほめることは大切ですが、賞罰主義や成功報酬を与えることばかりに偏ってしまうと、「これができないと愛されない」という気持ちになってしまいます。あなたが居ることがうれしいという「存在の承認」を忘れないでください。