出産準備/出産準備関連情報

産後をゆったり過ごす「産褥入院」とは(3ページ目)

体の回復と育児のスタートという産後は、とてもデリケートな時期。産後をおだやかに過ごすために、出産前からいろいろと準備をしておくことは大切です。

大葉 ナナコ

大葉 ナナコ

妊娠・出産 ガイド

趣味は出産、特技は安産。バースコーディネーターとして、プレママ・ママのメンタルサポートやライフスキル、妊娠準備、出産準備、楽しい育児のコツを発信する。「誕生学(R)」という、生まれてきた自分のいのちの力を知り、自己肯定感を高めるプログラムも主催。

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産院で約1週間、産褥入院で1週間、そして自宅へ

私の知人は、双子を出産した後、病院の入院を経て、Be bornの「産後養生院」入院した人がいます。いっぺんに二人の赤ちゃんのお世話からスタートする双子の育児はたいへんですから、先のことを見据えつつ、まずはここで赤ちゃんのケアを学びながらゆったりと過ごせて、とてもよかったということでした。

「高齢出産だと、産後の回復が遅く、育児の体力がなくなるのでは」と心配な方にとっても、視野に入れたいプランですよね。高齢出産であろうとなかろうと、産後の養生については、しっかり理解しておくことが大切です。産婦人科の病院では1週間ほどの入院が一般的ですが、それを経て、産褥入院で1週間を過ごせば、家族のサポートが期待できない場合でも、あとの1週間は自宅で赤ちゃんのお世話中心でなるべく休みながら過ごすというプランを立てれば、精神的にも余裕が出てくるのではないでしょうか。

産院によっては、2~3日で退院というところもあります。これは産後の養生を考慮に入れていないのではなく、むしろ母乳が出始める産後2日目を過ぎれば、自分がリラックスできる自宅で、赤ちゃんとの生活を整えるほうが大切という考え方。一般の産婦人科病棟では、生後6日目に行う先天性代謝異常の検査が終わってから退院、という区切りをつけて6日入院というところが多いのです。

入院期間が短い産院で産みたいけど、産後の家族のサポートはないという方にとっても、産褥入院はメリットがあると思います。産後は、母乳トラブルなども心配ではありますが、産褥入院の母乳ケアで、おっぱいのエンジンをしっかり掛けてから自宅に戻ることができれば安心です。また、産後のうつなどの心配も、直後に充分なケアを受けることで、少なくなるのではないかと思います。

育児を楽しめないと悩む方の中に、お産直後の養生が大切だということをあまり知らなかったという方もいらっしゃいます。お産そのものはもちろん大切ですが、体の回復と育児のスタートという産後は、とてもデリケートな時期。自宅がリラックスできる方はもちろん自宅で過ごし、サポートが必要と思う方は、こうした選択肢も視野に入れて、見通しをつけていけば、不安も少なくなるのではないかと思います。
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