出産準備/出産準備関連情報

産後をゆったり過ごす「産褥入院」とは

体の回復と育児のスタートという産後は、とてもデリケートな時期。産後をおだやかに過ごすために、出産前からいろいろと準備をしておくことは大切です。

大葉 ナナコ

執筆者:大葉 ナナコ

妊娠・出産ガイド

床上げまでは3週間

床上げまでは3週間
産後はお産疲れでヘトヘト?
出産に関する昔からの言い伝えで「床上げまでは3週間」という言葉があります。産後は、母乳やおむつ替えなどの赤ちゃんのお世話以外はせずに、できるだけ布団の上で横になって過ごすことが大切ですが、その期間の目安が3週間ということです。

「産後はお産の疲れでヘトヘトになってぐったりするのかしら?」と想像する方も多いと思いますが、通常の場合は、動こうと思えば意外に動けます。産後は多少興奮状態にあるため、横になっていたとしても、携帯などで頻繁に連絡を取ったりする産婦さんもいるようです。

先人の言い伝えの中には「産後の水仕事は避ける」「産後は目を使わない」というものもあります。昔の水仕事は、重いものを持ち上げたり、冷たい水に長時間晒されたり、といったことが多かったので、それは避けるようにということ。目を使いすぎるのも神経を消耗させてしまい、頭痛などの原因となってしまうこともあります。現代であれば、携帯やインターネットなどもなるべく避けたほうがよいのです。

横になって過ごす3週間という期間は、体のしくみが明らかになってきた現代の知識と照らし合わせても、理にかなったものです。お産直後の子宮は大きくておへそのあたりまでありますが、徐々に小さくなっていき、産後3週間ほどをかけてもとの状態に戻っていきます。産後は「悪露」と呼ばれる出血が続きますが、この量が減ってくるのも3週間が目安です。出産で開いた骨盤が徐々に閉じていくためにも、同様の期間が必要です。

さらに、最近の研究では、母乳を産生するためのホルモン「プロラクチン」は、体内にレセプターができてからはじめて順調に母乳が出始めるのですが、このプロラクチンレセプターが出来上がるのに3週間かかるということが分かってきました。産後の体の回復、そして母乳育児のための基盤を整えるために、科学的な目からみても「床上げまでは3週間」を経て、心身ともに順調になっていくということが証明されています。

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