出産・子育てで視野が広がった
子育てと仕事のワークライフバランスが整ってきた |
「産まれてきた子どもは、こんなにかわいいんだ!と、心から幸せを感じました。一方で、ずっと仕事に打ち込んできた私にとっては、仕事を辞めるという選択肢は考えられませんでした。1年間の育児休暇は、素晴らしい期間で、大きな人生経験でしたが、正直に言えば子育てだけでは煮詰まってしまいそうな自分も居ました。しかし、これも“子どもは思い通りにはならない”ということを経験して、大きな学びになったと思います」
また、保育園で知り合う他の保護者との交流が、自分自身の幅を広げてくれたといいます。
「学校を卒業してからは、仕事関連での友人たちが主だったのですが、子どもを通して知り合う方々とは、お互い悩みのポイントも近いせいか、ちょっと気が合う人とは、一足飛びに親しくなれました。いわゆる保育園ママは、皆仕事を持っていますので、同じ働く女性としての気持ちも分かち合えました。また、卒業後、ずっと一つの会社に居た私にとっては、異業種の方々との話が新鮮でした。自分が社会に送り出している商品やサービスを使うエンドユーザーの生活視点というものも改めて持つことができました。それは仕事の上でも大きなメリットでした。子どもとの生活、産後の交友関係が、私自身の視野を広げてくれましたと感じています」
現在は、職場でも昇進し、子育てと仕事のワークライフバランスが整ってきたというA子さん。女性の後輩からは「いつ産めばいいのでしょうね」という相談を受けることもあります。
「20歳代のうちに出産してよかったという方もいるでしょう。それは本当に人それぞれ。私の場合は、職場復帰後の働き方も、管理職になっていたからこそ、融通が利いた部分もあります。高齢出産という年齢になってからがベストだったのだと思います。」
落ち着きと余裕を感じさせるA子さん。仕事を任されたら精一杯取り組み、子どもが欲しいということが頭に浮かんだら、ライフスタイルを少しずつ見直してみる。流れに抗わず「自分の産みどきはこのときだった」と思える女性。高齢出産をした女性の中には、こうした方々がたくさんいらっしゃることを、これからもお伝えしていきたいと思います。
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