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東京都で搬送の遅れた妊婦さんが死亡(2ページ目)

東京都で、脳出血を起こした妊婦さんの搬送が遅れて再び悲しい事態が起きてしまいました。救急車を受け入れてもらえない妊婦さんは果たしてどれくらいいるの?

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

98.1%は3カ所以下の問い合わせで受け入れられている


先の調査によると、受け入れ先を見つけるのが大変だったケースはそれほど多いわけではありません。、これから産む方が強い不安におちいることはないと思います。先の調査では、初めて問い合わせた病院で受け入れられているケースが92.4%、3カ所以内が98.1%でした。6回以上問い合わせた搬送は0.63%でした。

しかし、産む人が切に望むのは文字通り365日、24時間、100%受け入れてもらえることですよね。それには、病院・クリニック間の連携がもっと進んでほしいし、総合周産期母子医療センターの見直しがどうしても必要だと思います。

深まる総合周産期母子医療センターの危機


総合周産期母子医療センターは、それを補う地域周産期母子医療センターと共に平成8年から指定が始まりました。厚労省が全国の都道府県にはたらきかけて整備を開始したのです。しかし、それからもう長い年月が流れています。

この医師不足の中で、全国のセンター病院も医師がいなくなってきました。大きな病院は、今、過酷な労働とそれに見合わない安い報酬が問題になっています。今回注目されている東京ERの都立墨東病院も、医師4名で平日は当直2名体制をやっているということはかなりきついと思います(単純計算では1日おきに当直することになります)。産婦人科医がどんどん開業して誰もいなくなってしまった地域周産期母子医療センターさえあるのです。

高度医療が必要な赤ちゃんも増え続けている


小さく生まれる赤ちゃんも増え続けており、NICU(新生児集中治療室)のベッド数も足りていません。加えて、周辺の小さなところがお産をやめてしまっていますから、センター病院には正常出産も押し寄せて本当にいそがしくなっています。

総合周産期母子医療センターがゆとりを取り戻して小さいところのお産を背後でしっかりサポートしてくれたら、クリニックのお産離れも緩和し、いい循環が始まるかもしれません。医師のいない誰もがつらい時代ですが、センター病院、クリニックがあたかもひとつの出産施設のように協力し合って妊婦さんを守るようになってほしいです。

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