お産が長引きやすいけれど、30代後半と大きく変わるわけではない
この自然出産できたグループで、分娩所要時間を見ると、初産婦さんでは、第二期(子宮口が全開してから誕生まで)では30代前半から、第一期(陣痛開始から子宮口全開まで)では30代後半から長くなる傾向が見られました。しかし、30代後半と40歳以上のグループ間に変化はほとんど見られませんでした。また、経産婦さんの場合はどうかというと、なんと40代の妊婦さんは20代と比べても分娩所要時間が変わりませんでした。昔、多産の時代には、医療は未発達だったのに、今よりずっとたくさんの人が40代で末の方の子を産みました。それができたことも、この数字を見るとうなずけます。
知られてない40代の出産力
40代の出産は数が少なく、また年齢だけで慎重になってしまう傾向があるので、まだその本来の出産力は知られていないと思います。これから40代出産が増え、それがわかってくるのかもしれません。今回、データを提供してくださった井上裕美先生は、こう言います。「40代で初めて産む人については、ゆっくりの進行になることは予想します。でも、お産はやってみなければわからないし、現に半分の人は医療を使わないで出産しました。チャンスは、持ってもいいと思います」
【ご協力いただいた先生】
湘南鎌倉総合病院 井上裕美先生
イラスト 平井さくら
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