親になっても、ふたりだけの時間をキープ
「パリの夫婦は愛が冷めたら離婚ですから、努力をしていますね」 |
河合 そういう時間って、本当に大切ですよね。そう言えば、不妊治療でも、性生活が難しくなってしまったカップルに医師がまずすすめるのは、旅行ですから。生活空間から離れた非日常的な空間ってロマンチックな気持ちにつながりますよね。
中島 向こうの男性は、ロマンチックなムードを作ったり、女性をいい気分にするのは上手ですね。でも、これは日本男性を責められないんじゃないかな。というのは、小さいときからの環境が違うから。
河合 パパがママにしていることを見て学ぶ、という意味?
中島 そう。うちの息子がそうなんです。もう話し始めた頃から「ママ、きれい」「ママ、好き、世界一きれい」ですからね。パパの真似です。それから「首飾りをプレゼントしたい」って言い出すんですね。首飾りは女の人をきれいに見せるものだ、ってすごく思っているみたいで、家にあるお人形にも首飾りをしてあげたいそうで。
河合 なるほど、それは日本男性はかなわない。
恋人気分はお皿洗いから
中島 でもね、確かに違うところは違うけれど、外国で暮らしていると、同じ所もたくさんあるって思うんですよ。無理なくできる小さいことからしてみたら、気持ちって変わり始めるんじゃないかしら。
私は、夫とロマンチックな気分になれる時って、実は、彼がお皿を洗ってくれた時だったりするんですけれど。女性ってそういうところがないでしょうか。とてもご機嫌になってしまって、「好感度アップ!」みたいな感じになる。反対に、もし私がひとりでお皿を洗っていて、彼がソファで寝転がっていて、「そのお皿を洗い終わったらここへ来て、仲良くして」と言われても、それはお断りですね。
河合 すごく、わかります。確かに、そういう問題だったりしますね。「女性の口説き方なんか読んでいる間に、男性はお皿を洗え」。今日はフランスのびっくりするお話をたくさんお聞きしましたけれど、身近なお話がたくさん出てだいぶフランスのやり方がわかってきました。これからも、日本人夫婦がもっと楽しくやっていけるためのお話をたくさん書いて下さい。
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パリ在住の翻訳家。1987年に留学して以来、フランス生活が長い。フランス人の夫と2人の子どもと暮らしながら、通訳や雑誌記事の寄稿を続けている。2005年11月『パリの女は産んでいる<恋愛大国フランス>に子供が増えた理由』をポプラ社より出版。