ある薬に胎児への有害作用があるか無いかは、本当は人間の妊婦さんで実験しない限りよくわからないし、そんな実験は現実にはできません。ですから、胎児への薬害は、薬の影響の中でも最もわかりにくい分野なのです。
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でも専門家は、できる限りのデータを収集し、その信頼性を評価することはできます。外来では、産科医と薬剤師がペアで相談に当たり、集めたデータを前にしてお話をします。「判断の根拠を専門家と妊婦さんが共有する場」、それが私たちの外来だと思っています。
データはどうやって集められ、判断されているのですか?
ひとつの薬につき1週間くらいかけて、たくさんのデータベースにあたります。国内だけではなく米国や欧州のデータベースも探しますし、学会や学術雑誌の論文、製薬メーカーのデータも調べます。ですから、この外来にかかる方は、来院前に、所定の調査書で薬の名前を送っていただくことになっています。その上で、予約をお受けしています。
外来は毎週水曜日。産婦人科医と薬剤師がペアで当たり、ひとり20~30分の時間をとっています。右が林昌洋さん、左が横尾郁子先生で、おふたりともこの外来のベテランです。
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