流産にはいろいろな姿がある
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科講師/藤井知行先生 |
流産に気がつくきっかけはさまざまです。出血、腹痛などの自覚症状で気づくこともありますし、最近は、妊婦健診の超音波検査でわかるケースが多いでしょう。
赤ちゃんの心拍は、妊娠8週頃に見えるはず
超音波検査で流産していないかどうかを調べるポイントは、赤ちゃんの心臓が打っているのが適切な時期に見え始めるかどうかです。心拍は、通常妊娠5~6週から見え始め、8週くらいになっても見えないと流産の診断を確定せざるを得ません。「稽留(けいりゅう)流産」と呼ばれているのが、このケースです。超音波検査が普及したため症状がまだ出ていない早い時期に流産が見つかるようになったのです。
実感がないので納得出来ないことも多いと思いますが、そういうときは、気持ちの整理をつける時間を取ってもいいでしょう。ただ、その状態を放置しておくと、子宮は必ず収縮し始め、腹痛や出血が起きて「進行流産(流産が進行している状態)」となります。
流産が進行した結果、子宮の中のものは押し出されます。完全に出た場合は完全流産、一部が残ってしまった場合は「不全流産」と呼びます。