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タタミの分娩室で、「和」のお産

フリースタイル出産ができる産院に、タタミのスペースが増えています。どんな姿勢もOK、家族がごろごろしていても平気のタタミ・パワーはなかなか。日本人なら、思わず納得です。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

増えているフリースタイル出産を取り入れる病院

フリースタイル出産をしている産院に、タタミのスペースが増えています。分娩室から分娩台が一台なくなり、そこにタタミが敷かれて「フリースタイル出産コーナー」ができるのです。生まれるまでまだ間がある時に入っている「陣痛室」で、ベッドがなくなり、タタミになることも多いですね。現代の病院にタタミが出現する、その理由は何なのでしょう。

●タタミの上は、フレキシブル
分娩台の上で「自由な姿勢をしてください」と言われても気おくれしますし、高いと落ちてしまいそうな気も。でも、タタミなら、座る、立つ、寝る、すべて自由自在、安定感バツグンです。

●家族も自由
お産に立ち会う夫や子どもも、長丁場のお産に疲れたらごろ寝OK。こんなことは、いくらホテルのような美しいインテリアでも、洋間ではちょっと無理です。

●タタミは、素足であがる
日本人は、家の中では靴を脱ぐ国民。靴やスリッパを抜いでタタミにあがるとなんだかくつろいでしまい、のびのびします(これは医療者も同じで、双方なごみます)。

●タタミは自然素材
青ダタミのにおい、いいですね。「草のにおいはストレスを和らげる」と感じる人もいます。

●タタミの心は、「和」の心
タタミの機能は大体がフローリングと同じです。でも、タタミがやや好まれているのは、西洋医学一辺倒で来たことへの反省――「和」の精神を取り戻したいという無意識の表れなのでしょうか?

やってみると、日本人なら思わず納得の良さがあるタタミのスペース。もし、あなたの産院にあったら、積極的に利用してリラックス出産してください。

写真は湘南鎌倉総合病院です。分娩室の半分は通常の分娩台がある空間ですが、半分はタタミになっています。天井からは陣痛中につかまるための綱が下がっています。



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