流通利回りはどう決まる? 2
買いたい人が多いと、値段が高くなっちゃうのね
買いたいという動きが強いか、売りたいという動きが強いかは、今後の経済に対する「予想」(期待)によって変わります。
(※期待という言葉のほうが、金融の世界ではよくつかわれますが、特別なニュアンスをもって受け取られることのないよう、超入門的なこの記事では「予想」を使います)
新聞記事では、「日銀による追加金融緩和の観測を背景に」と書かれています。
これは、「(円高対策として、日本の金利を下げるために)、日銀が金融緩和という政策を実行するだろうと、市場では予想されている」という意味です。金利がこれから下がるのであれば、下がる前の国債を買っておいたほうが有利と考えられますから、債券を買おうという動きが強まります。(そして、その影響で利回りが下がり、それを指標とする長期金利が下がる。金利の予想によって実際の金利が動くという面があるわけです。)
また新聞には「株価が下げ止まらず、安全資産の国債に逃避する資金シフトも続いている」とも書かれています。これは、株価がどんどん下がる中で、今は株式に投資するよりも、より安全性が高い債券に投資したほうがいいという考え方が強まり、債券が売れているということです。
このほか、これから先の物価上昇率(インフレになるか、デフレになるか)や経済成長、発行体(国債の場合は国)の財政状況についての予想も影響します。
ところでなぜ、国債利回りが金利指標になるのでしょうか。