NT倍率とは?
個人投資家の方の中にはNT倍率の推移を見ながら、個別銘柄や先物の売買をされている方もいらっしゃるのではないかと思います。今回は、このNT倍率について解説したいと思います。
NT倍率とは、日経平均株価(NIKKEI:N)を東証株価指数(TOPIX:T)で割ることによって算出され、両者の相関関係を表す指標となっています。
NT倍率の計算式は以下の通りです。
NT倍率=日経平均株価÷TOPIX
日経平均株価と東証株価指数の計算式の確認
ここでまず、日経平均株価と東証株価指数の算出方法について、確認しておきたいと思います。
日経平均株価(単位:円)
対象銘柄:東証一部上場銘柄の中から日本経済新聞社にて選ばれた225銘柄
算出方法:225銘柄の株価合計÷除数(指数の連続性を保つため調整されたもの)
TOPIX(単位:ポイント)
対象銘柄:東証一部上場の国内全銘柄
算出方法:算出時点での構成銘柄の時価総額÷基準日の時価総額×基準値
※なおTOPIXの基準日は1968年1月4日であり、この日の時価総額(8兆6020億5695万1154円)を100として算出しています。
以上の確認を踏まえた上で、本題に入りたいと思います。
NT倍率の特徴
日経平均株価の場合、株価水準の高い銘柄(値がさ株)に影響を受けやすいという特色があります。
一方、TOPIXの場合、自動車や銀行などの時価総額が大きい株(大型株)に影響を受けやすいという特色があります。
このように両者間で影響を受けやすい銘柄が異なっているため、NT倍率を見ることで、どのような銘柄が売られているか(または買われているか)が、おおよそ把握することができるのです。
NT倍率は、その時々の相場の変動によっても大きく変わりますが、通常は10倍程度の値(倍率)となっていることが多く、株価と同じようにチャートで表されているため、比較的馴染みやすい指標なのではないでしょうか?
NT倍率が上昇している時というのは、日経平均株価の上昇率がTOPIXの上昇率を上回っている時、あるいはTOPIXの下落率が日経平均株価の下落率を上回っている時ということになります。
逆に、NT倍率が下落している時は、日経平均株価の下落率がTOPIXの下落率を上回っている時、あるいはTOPIXの上昇率が日経平均株価の上昇率を上回っている時ということになります。
つまり、株価上昇局面において、
NT倍率が上昇 → 株価水準の高い(値がさ株)ハイテク銘柄などの上昇率がより高い
NT倍率が下落 → 自動車銘柄や銀行銘柄などの上昇率がより高い
以上のように推測することができます。
NT倍率は株式市場全体の動向を把握するために役立ちますので、今後投資戦略を立てる際の参考にすると良いでしょう。