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映画『借りぐらしのアリエッティ』 の舞台モデルになった「盛美園」とは

ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』に出てくる古い屋敷やお庭は、青森県平川市にある国指定名勝の「盛美園(せいびえん)」が舞台モデルとなっています。また、東京都の小金井市にある「野川」と「はけの小路」もロケ地に使われています。今回は、明治時代の日本三名園の一つとされる青森県平川市にある「盛美園」をご紹介します。

執筆者:井藤 雪香

『借りぐらしのアリエッティ』の舞台イメージとなった「盛美園」

ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』に出てくる古い屋敷やお庭に、舞台イメージとなった場所があることをご存知ですか?舞台イメージとなったのは、青森県平川市にある国指定名勝の「盛美園(せいびえん)」。その魅力をご紹介いたします。

※こちらの記事は2010年8月に取材を行ったものです。最新情報について変更となっている可能性があります。予めご了承下さいませ。
盛美園の入口です

盛美園の入口。この奥に明治時代の日本三大名園のひとつがあります

   

明治時代の名園 国指定名勝「盛美園」の風景

盛美園は明治時代の日本三名園のひとつ。津軽地方に数多くみられる武学流の造園を代表する庭園で、国の名勝に指定されています。北条氏の家臣の血を引く明治時代の大地主、清藤盛美が小幡亭樹宗匠を招き、9年の歳月を費やして作庭。その面積は3600坪にもなります。

庭園のつくりは、池を中心に築山と草の平庭から成り立っています。中央に池泉と枯池の二段。池泉には神仙島がつくられていて、その島には蓬莱の松が植えられています。
石の階段

お庭の中心となる池には石の橋が。あずまやのある築山へ通じています

築山は池泉の左方に「真」の築山、右方に「行」の築山があります。「真」にはあずまや、「行」には盛美神社があり、松・楓・つつじなどが添えられて趣のある風情となっています。
「真」の築山から見る盛美館

「真」の築山から見る盛美館。庭園の「和」と館の「洋」の調和が、盛美園の世界です

この庭の一角にある「盛美館」は、庭園を鑑賞するために建てられました。一階が和風、二階が洋風という建物は、ほかに例のない和洋折衷スタイルです。建物に強い印象を与える二階の八角の展望室からは、全庭を見渡すことができます。空中に浮いているような感覚から空中楼閣とも呼ばれているそう。二階の見学はできないのですが、その景色を写した写真が一階に展示されています。
明治文化の面影を忍ばせる、和洋折衷様式の盛美館

明治文化の面影を忍ばせる、和洋折衷様式の盛美館

一階は自由に見学することができます。客間に座して望む見事な庭園の風景は、ゆっくりと楽しみたいものです。
盛美館1階の書院窓と客間脇の廊下。随所に庭園を鑑賞するためのくふうが

盛美館一階の書院窓(左)と客間脇の廊下(右)。随所に庭園を鑑賞するためのくふうが

敷地内には御宝殿もあり、決められた時間に見学することができます。全面を金で覆い尽くした堂内の両側には、豪華絢爛を極めた三部五枚の蒔絵が。そのうちさくらに孔雀の蒔絵は日本最大のもので、漆芸の最高峰をいくものといわれているそうです。盛美園を訪れたら、ぜひ入ってみてください。

 

『借りぐらしのアリエッティ』と「盛美園」

アリエッティといえばやっぱり床下! 盛美館の床下部分にはアリエッティの額縁が飾られ、そのまわりは映画のお庭を連想させるグリーンで彩られています。映画を観たあとの観光客は皆、何度も床下をのぞいたそうです。
盛美館の床下部分は観光客に人気の撮影スポット!

盛美館の床下部分は観光客に人気の撮影スポット!

たくさんあります、床下

いまにもアリエッティが出てきそうな気がしてきます

庭園を散策すれば、映画を連想させる風景をあちらこちらで見ることができます。「特に山に続く石の橋や石の灯籠、盛美神社などのたたずまいが映画で観たお庭と重なる」と、盛美園のスタッフさん。アリエッティの目線で見てみたら、楽しいかもしれません。

 

「盛美園」と「もてなしロマン館」の観光情報

盛美園にはお土産ショップが入った「もてなしロマン館」が隣接されているほか、盛美園と遊歩道で結ばれた「猿賀公園」、「猿賀神社」など歩いて行けるスポットもあり、見どころがたくさん。平川市で特に注目されている観光スポットのひとつです。

盛美園
住所:青森県平川市猿賀石林1
TEL:0172-57-2020 冬期営業(12月~4月中旬)の電話連絡は 0172-43-5610
休園日:12月29日~1月3日(正月休み)正月休み以外は、開園期間中無休
開園時間:
4月中旬~9月末 9:00~17:00(17:00閉園)
10月~11月中旬 9:00~16:30(16:30閉園)
11月中旬~4月中旬 10:00~15:00(冬季営業)
入園料:
・大人:500円(冬季250円)
・中高校生:330円(冬季170円)
・小学生:220円(冬季110円)
・小学生未満:無料
※冬季(11月中旬~4月中旬)
アクセス:弘南電鉄弘南線津軽尾上駅から徒歩約10分。
※2020年8月更新

観光の際に便利です!
四季の蔵もてなしロマン館
住所:青森県平川市猿賀遠林10-1
TEL:0172-43-5610
営業時間 9:00~17:00 (11月~3月 9:00~16:30)
定休日 : 年末年始
※2020年8月更新

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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