マネープラン

車を買わない若者はマネープラン的に賢くて正解!(4ページ目)

先日話題になったニュースに車の保有台数減少がありました。特に首都圏に住む若者の所有意欲が下がっているのが問題だというのですが、いやいや。団塊ジュニアFPとして物申す! 若者が車を買わない選択は賢いし、正解じゃないですか!

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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買わなくてもいい理由3)団塊世代のローン利用と同じ感覚で議論すべきではない

3つめに指摘したいのは、団塊世代の考えるローンの感覚は、団塊ジュニア以降には役に立たないということです。
実は団塊の世代は私たちよりむちゃくちゃなローンを組んでいました。かつては冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ、エアコンなどが憧れの商品でしたが、冷蔵庫は初任給の半年分、テレビは初任給の約2年分(!)もするようなバカ高い商品でした。仮に今の初任給を20万円とざっくり定義すれば、120万円の冷蔵庫(ありえない!)や、480万円のテレビ(ありえない!)をばんばん買っていたわけです。

当然、現金では買えないですから、ローンを組んで購入していました(実は分割払いが誰でも使えるようになったのは戦後なのです)。当時は金利も高かったので、これはとても危ない状態です。
結果として日本は戦後の経済成長にありましたので、こうしたローンを返済してみんながテレビや冷蔵庫を買えました。インフレもしましたし、賃金も増えましたので、ローンはそれほど問題にならなかったのです。ですが、もし日本が1960~70年代にずっと景気低迷していたら、全国に破産する人があふれていたに違いありません。もし現代のFPが当時アドバイスをしていたら、こんなローンを勧めたりはしないでしょう。

同じような感覚がどこかに残っているのだとしたら、その理屈を若者に押しつけるのはやめてほしいと思います。今は高度経済成長が続く楽観的な時代ではないのです。テレビのコメンテーターも本当に現代の若者の苦しい現状を踏まえて話をしてほしいものです。(そもそも、一般の家計感覚が分かるか疑問に思う人もいますよね)

可能であれば、今のような時期に若者はあらゆるローンと関わらずに暮らしていくべきです。理想的には住宅ローンも使わない方が良いと私は考えています(例えば、3000万円のローンはだいたい4500万円返すことになる借金です)。

バブル世代より上の世代はどう考えているのか知りませんが、賢く合理的な行動をしている若者をバカ呼ばわりするのだけはやめてほしいものです。(そもそも好んで消極的になっているわけじゃないんだ!)
……要するに「若者が車を買わないのは正しい」ということです!

■   ■

車を買わない若者というのは、きわめて現実的で、とても合理的な行動をしていると思います。
また、資料をよく読むと、40代でも車の所有率が下がっており、子育て等の費用負担を優先して車を買わないという合理的行動をしていることが分かります。こちらも現実的だと思います。

個人的には日本の自動車メーカーは、50~60万円クラスで「いいものを安く、のユニクロ商法」で勝負してほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
あるいは、100~150万円クラスで「ハイブリッドな軽自動車(燃費がリッター40~50キロとか)」だったら、すぐ買い換えてもいいのですが。
日本の自動車会社には、むしろこの苦境を魅力的な製品を出すチャンスに変えてほしいなと思います。

たぶん、これなら若者も車を買いたくなるんじゃないでしょうか?
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