切子の種類と涼やかなコーディネート

こちらは、ホテルの展示で伊万里・有田焼、江戸切子、別府竹細工、越前漆器、江戸指物の5つの伝統的工芸品を使ってガイドがコーディネートしたものです。今回は、この中でも特に夏のテーブルにぴったりな、「江戸切子」についてご紹介します。

飲み物を楽しむ切子のグラス

切子とは、ガラス器に施された模様のことを指します。模様は、魚子（ななこ）模様の他に、籠目・麻の葉・菊・格子切子などと呼ばれるものが単独、または組み合わせて用いられています。ガラスは、無色透明なものと、着色した色ガラスをかけて（被せて）カットした色被せガラスとがあります。 ここでは、日常使いしやすい切子のグラスをご紹介しましょう。

■ グラス名：懐石ワイン
グラスにつけられたタイトルどおり、懐石や和食の席におすすめの器です。ワインのほか日本酒の冷酒や梅酒などの食前酒用にもぴったりです。また前菜やオードブル、食後のスイーツを盛る器としてもおすすめ。たとえば、前菜にコンソメ仕立てのジュレに、生ウニと生ワサビをトッピングしたらいかがでしょうか。スイーツは豆腐ゼリーに甘く煮て冷やした黒豆を添えます。使い方もいろいろとアレンジでき、四季折々のお料理も楽しめるグラスです。

■ グラス名：ワイングラス　クリスタル
和食とワインの組み合わせに、是非おすすめのワイングラスです。食卓で、高さも出て、きらきら光る様は、夏の花火を思い起こさせます。夜はキャンドルを灯せば、キャンドルの光がグラスのカットに反射してゴージャスな光の中で、夕食を味わえます。
■グラス名：マイグラス　クリスタル
魚子（ななこ）と呼ばれる、大変高度なテクニックが必要とされるカット・パターンのルリ色の涼やかなグラスです。魚子は、江戸切子の典型的な模様ですが、そのルーツはイギリスやアイルランドで、18世紀から19世紀にかけて盛んに製作された当時の典型的なカット模様です。
■グラス名：マイグラス
ウイスキーや焼酎をいただくのにぴったりのグラスです。モダンなインテリアにも合う、黒い切子は、今人気です。オールドファッショングラスには、ダンディーな大人のイメージが漂います。



■グラス名：冷茶
暑い夏の日に、一杯の冷茶を涼やかなグリーンの切子でお出しすれば、お客様に喜ばれることでしょう。涼やかさをさらにアップするには、竹製の茶たくがおすすめです。この器はお茶だけではなく、和え物やスイーツなど、四季を楽しむコーディネートにもお使いいただけます。 次は、切子のカットの方法と製造工程や、歴史、取り扱い方などを紹介します。高価と思われがちな切子ですが、実は大変な手間と労力がかかっています。カットの工程を見れば、納得いただけるでしょう。毎年、夏にひとつずつ買い求めて使ってみるのも楽しいですね。