キッチン設計の基本はワークトライアングル。でもキッチンで収納をプランするときには、新しい収納セオリーが必要。何故なら、多彩な食生活と時短とスペース効率を同時に叶えたいのが、日本のキッチンだからです。そこで今回ご紹介するのが、TOTOの新商品【クラッソ】。ガイドが試した結果をもとにレポートいたします。
ホームポジションという考え方
これはガイドの収納セオリー。調理中は調理台の前に立っている時間が長い。だから調理台を中心に収納を配置する
しかも調理作業というのは、下ごしらえや味付けなど全てタイミングが肝心。調味料と調理道具が、サっと手にとれる位置にあるかどうかは、料理の仕上がりにも影響しかねません。つまり、調理関連の品々をどこにどう配置するかが、キッチンの作業性と効率を左右するということです。
そこでTOTOでは、ホームポジションという新たな発想で商品開発をしています。それが新商品【クラッソ】のI型に導入されています。そのホームポジションというのは、調理台を調理作業の中心に据えて機器と収納を配置するというもので、それによって無駄な動きが少なくなるという考え方です。
アクション数を減らす収納配置
ガイドが講師を務めたワークショップ(TOTO北陸支社 金沢ショールーム)。一升瓶の収納が必須だとか。そんな地域性にも対応できる引き出し
親引き出しには、瓶やペットボトルの調味料を。子引き出しには、スパイスや塩、砂糖のケースが入ります。そして子引き出しは、高さを変えられるので、親引き出しに背の高い一升瓶を入れることも可能です。
そして肝心なことは、引き出しのある位置。ホームポジションの調理台とレンジとの中間にあります。ということは、調理台で下味をつけるとき、そしてレンジで仕上げの味付けをするとき、どちらのポジションからも使える位置にあるのです。
これまでは、レンジを超えたところにある小さな引き出しまで、調理台から数歩移動しなければなりませんでしたので、これは画期的なアイディアです。調理用品の収納位置を僅かに改良するだけで、調理作業は格段にラクで時短になります。
引き出し収納をフル活用
「スイスイ収納セミナー」ワークショップでの引き出し収納。吊り戸棚を使わなくてもタップリ入る
そんなデメリットを改良したのが、2重構造になった引き出しです。内引き出しとの2段使いによって、調理道具の重ね過ぎが予防できます。また、内引き出しからの出し入れは、かがむ姿勢が小さいので、頻繁に使うものの収納に重宝です。
和洋中、エスニックなど、食生活のバラエティが豊かな暮らしをしている日本人にとって、形や大きさがマチマチな道具を、如何に使いやすく収納できるか。しかも、コンパクトサイズのなかで、どう実現するのかがキッチン収納の使命です。
新商品【クラッソ】は、ユーザーの声に耳を傾け、「使う人のそばに寄り添って、長く一緒に暮らそう」という思いを込めたネーミングだそうです。『スイスイ設計』をコンセプトにした『スイスイ収納』をショールームで体験してみては如何でしょう。