七里ヶ浜:北側の丘陵地には
昭和40年代から開発された住宅街が
七里ガ浜沿い。江ノ電沿線中最も海の眺めが楽しめ、気持ちの良い区間だ
稲村ヶ崎を過ぎると、江ノ電は少しずつ海に近づいて行きます。海沿いの国道134号と並走するようになるのは、鎌倉プリンスホテルを過ぎたところから。ここからお隣の鎌倉高校前を過ぎ、腰越の手前までは海、江ノ島が見える、乗るのが楽しい区間です。しかし、考えてみると江ノ電と聞くと海のそばを走るというイメージがありますが、実際に海沿いを走る期間は意外に短いんですね、イメージというものは面白いものです。
坂の途中から海を振り返ってみる。坂の傾斜のきつさがお分かりいただけるだろうか。しかし、眺望はとてもすばらしく、絵になる
さて、その七里ヶ浜は江ノ電沿線中最も大規模な住宅エリアです。江ノ電の走る海沿いから山側へは急な上り坂になっており、鎌倉プリンスホテル脇の坂を上りきったところ(町名では七里ガ浜東)には一戸建てを中心とした整然とした住宅街が広がっているのです。
広い一戸建てが整然と並ぶ七里ガ浜東の住宅街。通り沿いには並木もあり、緑が豊富
このエリアを開発したのは西武グループ。鎌倉周辺には西武グループによる開発が多く、住宅エリアの隣の鎌倉プリンス・ホテルはもちろん、鎌倉逗子ハイランド、西鎌倉団地、逗子マリーナ、逗子グリーンんヒル、湘南鷹取台など、挙げだせばきりがないほど。この地の開発計画は戦前からあり、実際の開発が始まったのは昭和40年代から。長年かけて作られてきた住宅街というわけです。ちなみに駅名は七里ヶ浜ですが、住居表示、高校名は七里ガ浜です。
七里ガ浜プロムナード。並木の脇にはベンチがあり、子どもを連れたお母さんたちが多く集まっていた
現地に行ってみると、街の中心には桜などの並木とベンチのあるプロムナードがあり、周辺にはスーパーや飲食店が並んでいます。湘南でカレーの店として有名な珊瑚礁の本店もあります。が、卒直なところ、商店の数が多いとは言えず、住環境的にはすばらしいものの、生活の利便性としてはちょっと「?」。江ノ電沿線の他の駅に比べれば飲食店などは多いのですが、買い物その他に時間を掛けられる人でないと住みにくい場所なのかもしれません。
住環境を守るため、この地域では住民協定があり、宅地を分割することは許されていない
この高台のさらに奥にはかつて別荘地として開発され、今もお屋敷エリアとして人気の鎌倉山があります。また、七里ガ浜と鎌倉山の間には市が開発業者から買取り、都市森林公園として整備を予定している広町緑地があり、鎌倉の原風景ともいえる自然が残されています。目の前の海と合わせ、自然に恵まれた場所なのです。
学校があるため、若い人の姿も多い七里ガ浜駅周辺。駅を過ぎてしばらくすると電車は海沿いに出る
賃貸物件では稲村ケ崎駅を過ぎてから七里ガ浜、鎌倉高校前にかけては海が近くなるため、サーファー向きを謳う物件が登場するのが特徴。屋外にシャワーがあったり、ボード作業台などがある物件もあり、賃料は6万円~。設備が充実していたり、海一望の物件などとなるとやや高くなることもあります。
斜面を利用して日当たり、眺望を確保した住宅が建てられている七里ガ浜周辺(地名では七里ガ浜エリア)
分譲物件は土地、中古一戸建てがコンスタントに供給されており、土地価格は3.3平米あたり70万円~90万円といったところ。中古一戸建てで見ると4000万円から8000万円、9000万円と築年、土地の広さなどで幅があります。土地協定のある地域も含め、200平米以上の広い区画が多く、庭のある暮らしが満喫できそうです。
沿線一の眺望スポットといえば、お隣
鎌倉高校前です。