住宅をちょっと妥協してでも老後を守ろう!
住宅購入と老後準備を同時に行うコツは、「住宅ローンを少なく組む」ことにつきます。それはつまり「頭金を多くしてから買う」か「安い物件を買うか」という問題になってきます。よくあるトラップは、物件購入価格を上げてしまうことです。物件探しをしていると感覚がゆるんできます。最初は「2500万円以内」とか絞り込んだ想定だったはずが、「あと300万円足してもうちょっと手前の駅で探そう」とか「あと200万円足して内装にこだわろう」となることが多いものです。最後には「3500万円でもいいかな」とかなってしまったりします。
このとき500万円分住宅ローンを減らせれば、500万円老後準備が可能になる、と考えることもできます。目の前の満足と将来の準備不足は、コインの表と裏の関係にあるわけです。
また、住宅ローンの返済期間を定年退職以降にまたがらせないことも大切です。35年の返済期間や80歳までの返済期間が設定できるからといって、これを利用する必要はありません。やはり、60歳までに完済できる計画にするべきです。
(もし、60歳までの完済で計画を立てたら、毎月の返済額が高すぎる場合、その物件は買うべきではないと考えられます)
また、60歳までの期間で完済するとしても、返済に手一杯で老後の準備をする余裕がないのではダメです。本来、住宅ローンとは別に老後のために毎月1~2万円の積立をできるくらいの余裕があるべきなのです。
不動産会社の人は、あなたが家を(できれば高い家を)買ってくれることが商売ですから、おそらくあなたの老後資金準備まで勘案してはくれないでしょう。それはあなた自身が考えるべきテーマなのです。
住宅物件を購入するときは、「借りれるだけ住宅ローンを組む」という頭に縛られないよう注意してみてください。
妥協する、というとちょっと悲しい言葉のように見えますが、子どもがいなくなってしまえば、たいした広さは必要ありません。今本当にその物件を買うべきなのかは、老後のことも含めて考えてみてください。