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「新待機児ゼロ作戦」ってどんなもの?(2ページ目)

厚生労働省は、2008年2月27日、新しい「待機児ゼロ作戦」を発表しました。この「新待機児ゼロ作戦」、どんなものでしょうか。本当に実現できるものなのでしょうか。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

新作戦の心配な点は?

ミルクを飲む赤ちゃん
見ず知らずの他人に大事な赤ちゃんを預けるのですから、不安もいっぱい
新待機児ゼロ作戦にも、心配な点があります。ガイドが心配しているのは、「自宅で子どもを預かる保育ママの充実を進める」という点。

「保育ママ」(家庭福祉員、ともいいます)は、制度はあっても、どこの自治体でもなかなか数がいないことが指摘されています。民間の保育ママ組織もありますが、なかなか数が増えません。

「なぜ数が増えないのか」の根本的な部分をきちんと考えていかなければ、いくら声かけをしても、充実させていくことは難しいと思います。

今よりも補助金の額を増やし、簡単な研修だけで「保育ママ」になれるように制度を変更すれば、確かにより大勢の人が保育ママに名乗りを上げることになるでしょう。でもそれで、大丈夫……? という不安が募ります。自治体からの補助があったとしても、家庭で他人の赤ちゃんのお世話をすることの責任の重さ、精神的、肉体的な負担の大きさはカバーできないものではないでしょうか。保育園とは違い、「個人(保育ママ)対個人(保護者)」の関係になるので、「相性」の問題もより大きくなります。

見ず知らずの他人に大事な赤ちゃんを預けるのですから、人間関係が重要。親が安心して預けられるようになるまでには、時間がかかるものなのです。

量はもちろんのことですが、何よりも親が安心して預けられるよう、保育の「質」を最重要視するような新待機児ゼロ作戦であってほしいと願うばかりです。
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