厚生労働省は、2008年2月27日、新しい「待機児ゼロ作戦」を発表しました。この「新待機児ゼロ作戦」、本当に実現できるものなのでしょうか。報道によれば、「新待機児ゼロ作戦」とはこんなものだそうです。

2017年までの今後10年間で、保育所などの受け入れ児童数を、100万人増やすなどの目標を設定。福田首相の指示で、今後3年間を「集中重点期間」とし、保育所の整備のほか、自宅で子どもを預かる保育ママの充実を進める。

新作戦は、働きながら子育てをしたい親の希望をかなえるため、保育サービスを「質、量ともに強化する」とした。具体的には(1)保育所などの受け入れ児童数を現在の200万人から100万人増やす(2)小学1~3年生を対象にした学童保育も68万人から145万人増やす――としている。
asahi.comより)

受け入れ数を増やしても減らない待機児

両親と子ども
一向に減らない待機児童
最初の「待機児ゼロ作戦」が発表されたのは、2001(平成13)年7月のことでした。「仕事と子育ての両立支援策の方針について」という閣議決定に盛り込まれたもので、保育所、保育ママ、幼稚園の預かり保育等を活用して、受け入れ児童数を2002年度中に5万人、2004年度までにさらに10万人、合計15万人増やして待機児童の解消を目指す、というものでした。

それまで、保育園に子どもを預ける親などにしか知られていなかった「待機児」あるいは「待機児童」という言葉が、この政策によって、広く一般社会に広まることになりました。保育園の問題が、より大きな場所で語られるようになったことには意義があったと思います。

実はこの作戦が発表された後、厚生労働省は「待機児童」の数の定義そのものを変更し、認可保育園に申請しながら入園できていなくても、自治体が補助金を出している保育施設に入園している子は「待機児」にカウントしないことになりました。そのため表向きの待機児数は減少。待機児ゼロ作戦のおかげで待機児が減ったように思われましたが、それ以前の定義でカウントした待機児童は全く減っていないどころか、増えていることがわかっています。いくら入所児童を増やしても増やしても、希望者も同時に増え続け、待機児童は一向に減らなかったのです。

また、あまりにも「数」を増やすことのみに主眼を置いたため、認可保育園の規制緩和が進み、「質」の低下が指摘され続けてきました。今では園庭がなくても「認可」されることになっています。待機児童ゼロ作戦の弊害についても、考えていかなければなりません。

>>新作戦の心配な点は?>>