汽水魚とは、特定のグループを指す訳ではなく、汽水域という同じ環境に生息する魚全般を指しています。その中でも色彩的な妙であったり、生態が興味深いものなどが、観賞魚として親しまれています。
河口域には、様々なライフスタイルを持つ魚が生息しています。海に生息している魚が、または淡水域に生息している魚が、一時的に汽水域に進入してきたもの。常に汽水域に生息しているもの。厳密には、更に多彩です。
ポポンデッタフルカタ パプアニューギニアの淡水域に分布する。レインボーフィッシュの仲間の飼育には、塩分は必要ない。 |
汽水魚の仲間
ミドリフグ 汽水魚の中でも、観賞魚として代表的な熱帯魚。その飼育には塩分を必要とし、淡水では体が黒ずみ調子を崩してしまう。 |
中でも群を抜いて人気なのがミドリフグ。黄緑色の地肌に水玉模様が可愛らしく、特に女性に人気があります。海水、もしくはその半分程度の塩分濃度を好み、単独での飼育が基本になります。
その他にも、沢山の種類を熱帯魚オンライン図鑑で紹介しています。
→ 熱帯魚オンライン図鑑:汽水魚・その他
水槽のサイズ
魚のサイズに合わせて水槽サイズを選択すれば良いのですが、汽水から海水での管理になるため、ゆとりを持った水量で管理したいものです。淡水と違い、ろ過バクテリアが発生しづらく、また有毒なアンモニウムイオンが発生しやすいため、飼育数に対して水量があったほうが管理をしやすいです。
適したフィルター
海水魚の飼育同様に、できるだけろ過能力の高いフィルターの使用が良い結果を招く。 |
海水魚の飼育に用いる、水に溶け込んでいる汚れを取り除くプロテインスキマーや、飼育水を殺菌する紫外線殺菌等の利用も、良い結果につながります。
汽水魚が好む水
サンゴ砕けて砂利状になったもの。カルシウム分が溶け出し、飼育水を弱アルカリ性の硬水にしてくれる。 |
底砂やろ材にサンゴ砂を用いることで、汽水魚が好む弱アルカリ性の硬水にしてくれます。あとは種類によって好む塩分濃度に、市販の人工海水を用いて調整します。ほとんどの種類が海水の1/4~1/2程度の濃度に調整してやればOKです。
塩分濃度の違い以外、海水魚の飼育と基本的に同じなのですが、汽水域に生息する魚の方が水の汚れへの耐性が強い種が多いことが特徴です。
汽水魚の餌
クリル 南極オキアミをフリーズドライした飼料で、臭いが強いことから嗜好性が高い。どんな魚でも食べてくれるが、人工飼料に餌付きづらい魚種には特に便利。ただし栄養価の偏りがあるため、あくまでも補助食として与える。 |
どんな魚と混泳可能?
例えば、フグの仲間は同種他種問わず、相手をかじってしまうので単独飼育が基本です。またハゼの仲間は、テリトリー意識が強いものが多く混泳が難しかったりします。魚食性の種も多く、一概に混泳について述べることは難しいため、個別によく調べた上で混泳させてください。