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良い投資信託は運用会社の良き風土から生まれる(2ページ目)

投資信託選びの基準は成績だけではありません。目先の騰落率ばかりに気を奪われると長期的に成長し続ける投資信託を見逃すこととなります。本当に良い投資信託は運用会社の良き企業風土から生まれるので、運用会社から投資信託を選ぶ!というのも、一つの戦略です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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運用会社の純資産ランキング

以下は、直近の公募投信の純資産の多い運用会社上位10社ですが、系列化されていない専業の運用会社は1社しかありません。

野村アセットマネジメント、大和証券投資信託委託、日興アセットマネジメント、国際投信投資顧問、三菱UFJ投信、三井住友アセットマネジメント、DIAMアセットマネジメント、大和住銀投信投資顧問、みずほ投信投資顧問、フィデリテイ投信、新光投信(以上は、2010年5月末の純資産金額の上位10社)。

このうち系列化されていない運用会社はフィデリテイ投信です。

運用会社の人事政策

系列以外の運用会社の風土の象徴として、人事政策があります。

運用会社の経営理念は人事政策にはっきりあらわれます。投資信託の成績を左右するファンドマネージャーという職業は、日本の年功序列に馴染みません。アクテイブに収益率を追求するためには、優秀なファンドマネージャーが必要ですし、そのファンドマネージャーを雇い続けるには、特別な待遇が必要となります。待遇とは、とび抜けた高い報酬だけでなく、自由に腕がふるえる裁量の大きさも必要です。

それなのに旧来型の日本サラリーマン秩序を維持していたら、良い投資信託は生まれにくいと考えられます。その意味で、成果志向で結果重視の流動的な人事政策を取っている運用会社の方が、投資家の利益を優先しているといえると思います。思い切った人事政策が取れずにサラリーマン秩序を温存している会社は、投資家の利益より社内の和を優先しているのでしょう。

運用会社の淘汰を促がすのは投資家

今までの投資信託の流通をいびつにさせていた要因はいくつかあります。

・金融機関側の系列主義、短期的な売れ行き重視、ノルマ営業と熾烈なシェア競争
・個人投資家側のブランド主義、情緒的な購入行動、客観的な商品比較の放棄

まだ歴史の浅い日本の投信業界ですから仕方がありませんが、そうした流れを変えようとする、新しい動きもあります。
  • さわかみ、セゾンなどの独立系運用会社の誕生と成長
  • IFA制度による中立的な商品選択のプロの登場
  • モーニングスター、リッパーなどの第3者格付け機関のサービス拡充
私たちが賢くなれば、投信業界も変わっていきます!
みんなで学んで前進しましょう!
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