「MP990」はMP990は染料の3色カラーインクとグレーインクにブラックインク、顔料ブラックインクを採用する6色インクモデルで、印刷解像度9600×2400dpiのフラッグシップモデル。インクは2008年秋冬モデルの「MP980」と同じだ。従来機と同様、有線・無線LANに標準対応している。
スキャナ機能は一般的なCISよりもスキャン面の凹凸に強いCCDセンサーを採用しており、光学解像度4800×9600dpi。フィルムスキャンも可能だ。
液晶ディスプレイはタッチパネルタイプで、従来モデルの3.5型から若干大きい3.8型に変更された。
デザインは従来のPIXUSシリーズを踏襲するフォルムと、シルバーを基調にブラックをあしらったカラーリングを採用。2008年秋冬モデルから大幅に進化したというより、マイナーバージョンアップしたという印象だ。
MP990の注目はPCレス機能!?
MP990で最も注目したいのが、PCレスで利用できる機能だ。
まず、セットアップ機能が進化している。MP990や従来機のMP980は有線・無線LANに対応しており、ネットワーク経由での印刷やスキャンができる。MP980の場合はネットワーク設定をPC側で行わなければならなかったのだが、MP990は有線・無線LANの設定を本体だけで行えるようになった。MP990の液晶ディスプレイ手前にある操作インターフェースは十字キーとしてもジョグダイヤルとしても使えるものになっており、無線LAN接続時の面倒なSSID/パスフレーズ設定などもジョグダイヤルを回すことで手軽に設定できるのがうれしい。
印刷機能としては、特に筆者が気になったのがレポート用紙や原稿用紙、方眼紙などを単体で印刷できる定型フォーム印刷機能だ。MP980では、レポート用紙3種類(罫線8mm U罫/7mm A罫/6mm B罫)、方眼紙2種類(方眼5mm/3mm)、チェックリスト、五線譜(音楽罫10段)の7種類に対応していた。だがMP990ではレポート用紙3種類(罫線8mm U罫/7mm A罫/6mm B罫)、方眼紙2種類(方眼5mm/3mm)、チェックリスト、五線譜2種類(音楽罫10段/12段)、原稿用紙2種類(400字/200字詰め)、漢字練習用紙、アルファベット練習用紙、週間スケジュール、月間スケジュールの合計14種類に倍増している。学生や子どものいる家庭では、かなり重宝する機能のはずだ。
もちろん、メモリーカードやデジカメからの直接印刷、CD/DVD/BDレーベルコピー、メモリーカードへのスキャンデータ保存など、単独で利用できる機能はほかにも充実している。単独利用の場合は、同社のデジタル一眼レフ「EOS」シリーズ譲りといった感じのジョグダイヤルの使い勝手がいい。十字キーだけでは画像の選択が面倒に思えるところだが、ジョグダイヤルであれば回転して次々に画像を表示したり、設定を変更したりできるので、抜群の操作感が得られる。
MP990はハイビジョンテレビや携帯電話、iPhoneから印刷する機能も備えている。PCアプリやユーティリティソフトも充実しているのだが、普段はPCレスで使うという利用法も十分視野に入れていいのではないだろうか。