着物・着付け/着物の着方

長襦袢の着方

長襦袢は下着ではありますが、着物の衿元(えりもと)から見える半衿が着こなしの全体のイメージを決めるポイントとなることが多いので、しっかりと整えます。

黒柳 聡子

執筆者:黒柳 聡子

着物・着付けガイド

長襦袢はいわゆる下着ですが、着物を着た後に衿元(えりもと)や裾(すそ)合わせを手直しをしようとすると、着くずれの原因になります。長襦袢の時点でしっかりと整えるようにしましょう。

準備するもの

  • 長襦袢
  • 紐(1本)
  • 伊達締めまたは伊達巻き
  • 衿芯(えりしん)
長襦袢を着る前に衿芯を入れておく。衿芯は、広衿の場合は二つ折りにした衿の中に、ばち衿の場合は長襦袢の内側の掛け衿の中に入れる。

なお、説明の名称がわからないときは、「着物の名称」を参照してください。

長襦袢の着方手順

襟元と衣紋はつながっているため、両方の様子を見ながらバランスよく調整する

襟元と衣紋はつながっているため、両方の様子を見ながらバランスよく調整する

1:衿元を合わせ、衣紋を抜く(※)。衿元の合わせは、ミスの場合は喉のくぼみが隠れるくらい、ミセスの場合は喉のくぼみから下へ指1~3本くらいまでを限度としてあける。

コツとしては、長襦袢を後ろから回し、下から滑らせるようにして衣紋に余裕を持たせて着ると、補正も崩れず衣紋も抜きやすい。決して洋服を着る時のようにかぶらないこと。


 

衣紋の抜き具合によって全体の雰囲気が変わることも

衣紋の抜き具合によって全体の雰囲気が変わることも。写真は小紋の例

※衣紋とは?
衿の後ろの空き具合のこと。普段着の場合は3本の指が入るくらい、小紋などちょっとした外出着の場合はこぶし1つ入るくらい、振り袖や留袖などあらたまった着物の場合はこぶしが衿のなかにすっぽり入るくらいを目安にする。衿元も衣紋もつめすぎるとお子様に、抜きすぎると品がなくなるので注意すること。

 
位置はバストの下あたり

位置はバストの下あたり

2:バストから少し下がったところに胸紐をする。長襦袢は基本的に腰紐をしないので、高すぎると苦しく、下すぎると衿元が崩れやすくなってしまうので気を付ける。この時点で紐がくい込んでバストが目立ってしまうのは補正に問題がある。

 

衿先は引っぱらずあくまでも崩れを防ぐために安定させておく

衿先は引っぱらずあくまでも崩れを防ぐために安定させておく

3:上半身の緩みを取る。下前の衿先を持って、右脇を下に引き体に添わせる。上前も同様に、左脇を下に引いて体に添わせる。このとき、引きすぎてせっかく決めた衿元がくずれないように。長襦袢に緩みがありすぎると着物がうまく体に添わず、着くずれの原因になるので、上半身特に脇の辺りの緩みを必ずとっておく。

 
後ろのシワも整えておく

後ろのシワも整えておく

4:背中の緩みは、脇へ。最後に、背縫いを軽く引いておくと、裾がつぼまってタイトになり、全体に体に添ってきれい。

 

伊達じめ伊達巻きは補正も兼ねる

伊達じめ・伊達巻きは補正も兼ねる

5:胸紐の上に伊達締め、または伊達巻きを巻き、着崩れやすい襟元を安定させる 。最後に衣紋がきちんと抜けているか、胸元に余分なシワがないかを確認する。









長襦袢の寸法

袖口や裾から出ないようにするために、着物との寸法が合っているかどうかも重要です。袖口はだいたい0.5~1cmほど着物の寸法より短く、裾は着た時にくるぶしが隠れるくらいの寸法が基本です。特に、いま流行りのリサイクル着物を着る場合は、自分の寸法ではないため十分に注意してください。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます