<<戸崎裕隆氏 プロフィール>>
●1982年中央大学経済学部卒業後、新日本証券入社。
●個人営業を経て、1989年より香港、台湾駐在。
●2000年2月 国際証券入社、2000年10月より証券アナリストに転身。
●2004年5月よりコスモ証券投資調査部に在籍し、チーフアナリストとして現在に至る。
●2005年、2006年と2年連続で「日経金融新聞 人気アナリストランキング 中小型株部門1位。
●2004年、2005年と2年連続で「エコノミスト誌 アナリスト・エコノミストランキング 中小型株部門1位。
トップアナリストに直撃!その銘柄発掘方法は?
人気アナリストランキング中小型株部門1位 戸崎裕隆氏 |
戸崎:基本的には四季報が発売されるたびにすみからすみまで読みます。そのなかで目に付いた銘柄には付箋を貼るようにします。
毎回50銘柄以上は面白そうな銘柄が見つかるものです。私の友人、知人ともよく話をするのですが、株式投資に精通している方ほど、会社四季報が付箋だらけになっています。
付箋を貼った企業を順番に取材を行うようにしています。
西村:どのような企業に注目するのですか?
戸崎:まずは株価が安い企業です。PER15倍、PBR1.5倍以下で、株主資本比率が30%以上というのがひとつの目安ですね。
あと、「ニッチトップ」の企業に注目しています。小さな業界なのだけれども、その分野ではシェアトップと言う、知る人ぞ知る企業です。
個人投資家もIR説明会等で企業関係者と会うことが出来ます。 |
戸崎:事業環境やビジネスモデルは時代によって変化します。ただ人間はなかなか変わりません。ですので経営者や企業の歴史を聞いたり、現場を見るために、社長やIR担当者ではない一般の社員の方にも面接するように心掛けています。
著書にも書きましたが、例えば沖縄のスーパーにサンエーという会社があります。
ここの会社を一言で言うなら、「沖縄人の誇り」ですね。このように会社の強みを"感じる"ようにしています。
西村:多くの企業を取材していて最近変わったなと思うことはありますか?
戸崎:いろんな企業の説明会に出るのですが、多くの企業が株主を意識するようになりましたね。説明会で配当性向についてコメントする企業が増えましたし、売上高重視から利益重視の経営方針に転換する企業が増えたように感じます。ようやく日本の企業も真の意味での株式会社になってきたのではないでしょうか?
戸崎氏著書の「バリュー投資再入門」 |
戸崎:個人投資家の方はあらゆることを気にしすぎる傾向にあります。私も最初はそうでしたが、例えば世界経済の動向を調べたり、原油価格や為替の動向を調べたり、チャートを分析したり・・・。こうなるとキリがありません。
大切なのはひとつでいいと思います。自分の知っていること、身近にあること、自分が理解できること、のなかから銘柄を探すのが一番だと思います。
西村:最後に今回、「投資家心理を知って裏を行くバリュー投資再入門」(東洋経済新報社 1,400円)と言う本を執筆されましたね。この本のポイントは何でしょうか?
戸崎:東洋的な観点で株式投資の本質を書いてあります。本質を理解すれば、投資の成績が飛躍的に向上すると思います。
あとがき
企業に取材する際に、「その企業の強みを感じる」ようにするという言葉が印象的でした。企業の本当の強みは、数字からはなかなか読み取ることが出来ません。"感じる"には毎日の鍛錬が必要だと思いました。【参考記事】
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