株取引は「パック売り」が基本
通常、株式は「単元」と呼ばれる単位で「パック売り」されています。銘柄にもよりますが、多くは「100株単位」や「1000株単位」で取引されています。参考までに、任天堂<7974>を見てみましょう。同社の株価は、2017年8月30日終値時点で36,450円です。4万円あれば株を買えそうです。しかし、株取引は「パック売り」が基本です。よって、この金額では取引できません。
このとき、任天堂の単元株数は100株です。よって、同社株を購入するには、最低でも100株 × 36,450円 = 約365万円が必要です。365万円といえば大金です。1銘柄に集中投資すると不安を感じる方も居るでしょう。場合によっては、買い付けることもできないかもしれません。
これはあくまで一例ですが、株取引にはまとまった資金が必要なことが、お分かりいただけたでしょうか。私たちの資金には限りがあります。できることなら少額から取引を始めたいものです。普段は「パック売り」されている株式ですが、1株ずつバラバラに取引することはできないのでしょうか?
少額から始められる「単元未満株取引」
そこで今回ご紹介したいのが、「単元未満株取引」です。単元未満株取引は通常の株取引と異なり、1株から取引できます。例えば、先ほどの任天堂の例を考えて見ましょう。同社の単元株数が100株なので、通常取引では100株単位の取引しかできません。株を買うときは、少なくとも365万円が必要でした。一方、単元未満取引では1株単位で取引できます。よって、36,500円あれば、株を買えます。
このように、単元未満株取引を利用することで、少額で株を購入できます。通常は高額な銘柄でも、この手法によって買えるようになるでしょう。また、分散投資もしやすく、リスクを抑えて取引できると期待できます。
単元未満株取引の注意点
一方、単元未満株取引にはデメリットもあります。まず、「株主優待を受けられない」場合があります。これは、多くの企業が単元株保有株主を優待の対象としていることが原因です。
また、原則として「指値注文」を使えません。いくらで約定するか分からないため、注意が必要です。特に、売買代金の小さな銘柄はスリッページが生じやすく、高値掴みとなるおそれがあります。よって、単元未満株取引をする場合は、売買代金の大きな銘柄を選ぶのが良いでしょう。
そして、何より無視できないのが取引手数料です。単元未満株取引の手数料は、通常取引よりも割高です。資金に余裕がある場合は、通常取引を行ったほうが良さそうです。