本来の時価総額経営
トヨタの時価総額NO1は長い歴史のたまもの |
では、ライブドアの目指したものは?
一方、ライブドアの目指した時価総額NO1とは、これとどう違うのでしょうか?
目指す順番が違います。つまりトヨタなどは本業の売上や利益を増加させる為に企業努力を行って、その結果株価も高くなり、結果的に株式分割等を行って株式数も増え、株価も上昇し、時価総額が増えていくという順番です。
一方、ライブドアの場合は時価総額を増やす為にはどうすればよいのかということをまず最初に考えました。時価総額=(株価×発行済み株式数)ですからそれには発行株数を増やし株価を引き上げればよいのです。大量分割をしたり、個人投資家への人気を取るための選挙やテレビ出演で高株価を支えたりして時価総額(株価×発行済み株式数)を増やしていきました。高株価と分割という本来業務には関係のないセットで時価総額を増やすという意味で順番が逆であり、そこに無理が生じ、バブルが生じてしまったのです。
ホリエモンのいう「時価総額経営」と「バブル」には密接な関係があります。
時価総額とは、株価に発行済み株式総数をかけたもの。この時価総額を上昇増加させる為には、株価を上昇させるか発行済み株式総数を増加させるかしかありません。
1万分割の株式分割と株価上昇がセットになって時価総額は肥大化しました。実態にそぐわない時価総額がまかり通り、その高株価を武器にして、買収を繰り返していったのです。上昇している時は上がるから買うというリズムを作り出し、どんどん時価総額は実態から乖離しました。
つまりこの時価総額というのは経営の実態、会社の実態をあらわす指標ではなく、市場の評価、人気度をあらわします。時価総額が実態から離れ、市場の評価が実態と大きくずれていたことに問題があり、このずれがバブルそのものです。
本来の時価総額経営は株主利益を優先した結果として時価総額が大きくなるという順番で語られるものです。まさに上述したトヨタ自動車の場合は実業で評価された結果としての時価総額NO1です。