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銀行株上昇の背景と金利上昇

銀行株上昇が日経平均の上昇の牽引役となっております。銀行業界は量的金融緩和解除後ますます収益の拡大が見込まれます。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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4月7日に日経平均およびTOPIXは年初来高値を更新


日経平均は4月7日に17563円、TOPIXは1783ポイントをつけ、2000年のITバブル時の高値(日経平均で20833円、TOPIXで1754ポイント)を既にTOPIXベースでは抜いてきました。
以前も触れさせていただいたようにライブドアショック後は中小型株から主力銘柄に物色の流れが変化し、トヨタ(ライブドアショック後21%上昇)やNEC(同30%上昇)、キャノン(同23%上昇)、三菱東京UFJ(同33%上昇)、新生銀行(同32%上昇)などの王道銘柄が相場の牽引役です。これら王道銘柄への投資をして初めて相場上昇の実感が沸く相場といえましょう。

逆に昨年まで大きく値が動いた銘柄についてはなかなか上昇せず、銘柄によってはずるずると値を下げている銘柄も目立ちます。特に新興市場の銘柄については、大半の銘柄が底値を固める段階もしくは底値を這う状態が続いており、ライブドアショック後の高値を更新するような元気さが今後出てくるのかどうかが注目されますが、現状ではまだ先になるのではないかと判断しております。

相場上昇の原動力の銀行株上昇の背景


現在の日経平均の上昇の牽引役のひとつのセクターとして銀行セクターがあります。

三菱東京UFJフィナンシャルグループ 1/18 1460円→4/7 1950円(33.5%上昇)
新生銀行              1/18  663円→4/7  881円(32.8%上昇)    
住友信託銀行            1/18 1025円→4/7 1394円(36.0%上昇)
みずほフィナンシャルグループ    1/18  812円→4/7 1020円(25.6%上昇)

などと、日経平均の上昇率を大きく上回る上昇を果たしております。この銀行株上昇の背景にあるのが、預金金利と貸出金利の差が開いてきており、銀行の収益が今後ますます拡大される公算が高まっているためです。

預金金利の上昇は少しづつ

皆様もご存知のように預金金利は多少上昇してきております。しかし、そうは言っても多寡が知れています。例えば、三菱東京UFJ銀行は4月10日から一年以上の定期預金金利を0.2~0.5%引き上げます。先月に引き続き2ヶ月連続の引き上げとなりますが、一年物のスーパー定期はまだ0.06%から0.08%への引き上げに過ぎません。また、日本郵政公社も、定額貯金の利率を1年以上1年6月未満は0.03%から0.04%へと引き上げすることを決定しました。

一年物スーパー定期は例えば1000万円を先月預ければ一年で6000円の利息がつきましたが、今月預けであれば年間で8000円の利息になるだけです。微々たる引き上げに過ぎません。なかなかこの引き上げで大きく預金動向を変える方もいないのではないでしょうか?

借り入れ金利の上昇は先行して上昇


しかし、一方で、借り入れ金利のほうはどうでしょうか?つまり銀行にしてみれば貸出金利はどうでしょう?
長期プライムレートは既に2005年7月の1.45%から2006年3月には2.1%へそして4月11日からは2.45%へと馬鹿にならないほどの上昇となっております。プライムレートとは最優遇貸し出し金利のことで、銀行が信用力の高い一流企業にお金を貸す時の金利です。これを基準に各種長期金利は決められていきますので一般の方はもっと高いところの金利を払っているのですが、この基準金利の上昇でさらに高くなってくることが予想されます。

この預金金利の分と貸出金利の差額分が銀行にとっては利ざやとなるわけですが、量的金融緩和の解除がなされた今、金利上昇局面はまず貸出金利の上昇から徐々にはじまって、預金金利は遅れながら緩慢に進んでいくのが通常です。その間どこが最も潤うのかを考えてみましょう。

そうすれば今銀行株が上昇している背景が分かります。そしてこの傾向は当面続くと思われ、銀行の株価の上昇トレンドも続くのではないでしょうか?

【関連リンク】
  • オールアバウトマネー用語集 ゼロ金利政策

  • オールアバウトマネー用語集 長期プライムレート

  • オールアバウトマネー用語集 大口定期預金
  • 相場の牽引役は銀行株など
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