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日興コーディアル粉飾決算事件を斬る!

日興コーディアル証券の粉飾決算事件について、今までの経緯や今後の見通しを含めて記事にしております。ご参考に。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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日興コーディアル証券とは

日興コーディアル証券はどうなる?
日興コーディアル証券はどうなる?
日興コーディアル証券とは、日興コーディアルグループの傘下の一つ。その他に日興シティグループ証券、マネックス・ビーンズ・ホールディングスなどがあります。

前身の日興証券時代は、三菱銀行と親密な関係にあり、三菱グループの証券業部門をほぼ一手に担ってきた大手証券会社でした。1999年にトラベラーズ(後にシティコープと合併し現在シティグループ)との資本提携を決断、三菱グループを離脱。その後2001年に持株会社に移行し、証券業およびその他営業の全部を新設の日興コーディアル証券株式会社に承継し、本体は日興コーディアルグループへ社名変更しました。


粉飾決算の概要?おおまかな流れ

■2006年12月18日、証券取引等監視委員会は日興コーディアルグループが傘下の投資会社の決算上の数字の扱いについて不適切な処理を行い、約180億円の利益を水増ししたと指摘。この決算に基づいて、日興コーディアルグループが500億円の社債を発行していたため、内閣総理大臣と金融庁長官に対し、5億円の追徴金を課すよう勧告した(証券取引法第172条第1項第1号に基づく処分)。

この日に監理ポスト入り。日興側は担当者のミスで、組織的・意図的ではないとしながら、有価証券報告書の訂正と役員報酬カット、担当役員(担当者)の辞任を発表。この日中に、一部機関投資家は日興グループへの発注停止を決めています。

■12月25日の臨時取締役会で、日興コーディアルグループ社長と会長が26日付で引責辞任し、26日付で後任に同取締役、日興コーディアル証券社長の後任に同副社長がそれぞれ就任する人事を決めました。(日興側の対応が当初の決定と異なるのは、日興側の対応に対して、金融庁や投資家が納得しなかったため)

■2007年2月23日、米金融大手シティグループが日興コーディアルグループを事実上傘下に収める方向で交渉に入ったことが明らかになった。シティは日興CGへの出資比率を33.3%超に引き上げ、その後TOBで100%を目指し完全子会社化する方針。一方でみずほFG(4.8%株式保有)も出資比率を検討、水面下での動きが激しさを増す。
(3月6日、日興がシティの子会社化になることに対し、両社基本合意。)

■2007年3月12日、東証は日興コーディアルグループの上場を維持することを発表※。日興の株価は反発。(上場維持の理由1、前社長らの関与を裏付けられる十分な証拠を得られなかった 2、経常利益の訂正幅が過去の前例と比べて小さい 3、西武鉄道やカネボウと比べて悪質さの度合いが低い ―東証・西室氏の会見より)

事の発端、発覚にいたるまで

1番最初に日興コーディアル証券の不正が報じられたのは、月刊『現代』(06年2月号講談社)である。発行は05年12月28日、タイトルは「スクープ!呪縛はとけていなかった!日興コーディアル証券『封印されたスキャンダル』」。書き手は、元日経新聞記者で、近著にNTTの裏側を暴いた『巨大独占 NTTの宿罪』等があるジャーナリストの町田徹氏。証券スキャンダル後(総会屋利益供与事件)も、同社首脳は広域暴力団・稲川会等闇社会の面々や、元本保証を約束した大企業にあの手この手で損失補填をしていたと、内部資料を元に暴き、日経新聞が報じた今回のSPCの不可解な会計処理についても触れ、糾弾している。

さらに翌日の05年12月29日、日経新聞が興味深い記事を掲載した。日興コーディアル証券などを率いる「日興コーディアルグループ」(東証1 部)の04年9月中間決算において、不明確なSPC(特別目的会社)の損失(約140億円)が同決算に反映されていないとして、このSPCを06年月期決算では連結対象とするように、監査を担当する中央青山監査法人が要請していたという内容だ。

この中間決算が反映された同社の05年3月期決算の経常利益は約777億円。140億円は、この約2割を占める。この報道に対し、同社はHP上で、「中央青山からそういう要請はなかった」と報じた。

フリーランス記者の町田徹氏が「月刊現代」で抜いた完璧なスクープからおよそ1年。2月には国会でも質問が展開されたが、ようやく日興が白旗を掲げた形となった。
シティグループによる日興コーディアル証券株のTOB、今後の流れ
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