株・株式投資/株式関連情報

サブプライムローン問題の元凶とは

今世界中で話題となっている米国の低所得者向け住宅ローンのサブライムローン問題について。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

  • Comment Page Icon

サブプライムローン問題とは?

サブプライムローン問題深刻化
サブプライムローン問題深刻化
米国では、ローンを組む際に所得や資産の審査で一定の基準を満たし、通常の融資を受けられる人たちをプライム層と呼びます。

その審査が通らない人たち(主に低所得者や返済遅延経験者)を「サブプライム層」といい、その層向けのローンがサブプライムローンです。

サブプライムローンの現況


サブプライムローンは主に信用度の低い借り手(低所得者)に対する住宅ローンです。米住宅ローン協会によれば、サブプライムローンは住宅価格の上昇の大きかった2003年頃から急速に普及しました。

これは、2003年後半から2005年にかけて、米国では好景気と銀行間の競争激化により、与信基準が大きく低下し、一大住宅ブームが沸き起こったことに起因します。

住宅ローンに占めるサブプライムローン比率は1999年~2002年まで3%前後であったのですが、その後比率は大きく上昇し、2006年10~12月期にいたっては13.7%となっています。

しかし、サブプライムローンの特徴の一つは、当初の金利は年5~6%と低いのですが、数年後に10%を超える高金利の商品が多いことです。

米家計が保有する住宅ローン残高は9.7兆ドルですが、サブプライムローン残高は1.3兆ドルとなっています。延滞率は10%を越えるのが通常で、全住宅ローンの平均停滞率が2%前後であることを踏まえると、リスクの高いローンであるといえますでしょう。

2007年以降、サブプライムローンを手がけていた中小ローン会社約20社が経営破綻。3月13日には取引銀行から融資打ち切りを通告された大手のニューセンチュリー・フィナンシャルがニューヨーク証券取引所で上場廃止になり、同日の株価は大幅に下落、世界同時株安の一因にもなったと言われています。

日本では、野村HDが7月25日、サブプライムで、1―6月で累計約720億円の損失を出したと発表。記者会見した仲田正史執行役は米国での住宅ローン担保証券(RMBS)事業からの撤退を検討していると表明し、赤字が続く米国事業の立て直しを急ぐとしました。

その他の金融機関においてもその影響が心配されます。サブプライムローンは、通常の消費者金融では審査が通らないためにサラ金で高金利のお金を借りる、そんな構図に少し似ています。

サブプライムローンの原因とは…
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます