結婚する前に「夫婦財産契約登記」をすると、離婚時に財産分与をめぐって膨大な負のエネルギーを使うこともなく、また熟年カップルは財産をめぐる子供達の不安を解消し再婚への道が拓けるかもしれません。

財産分与とは、「民法に定められた規定で、結婚している時に夫婦が築き上げた共同の財産を精算し、離婚後の一方の当事者の生活維持をはかるというものだ。だから、離婚原因がどちらにあっても、それは財産分与とは関係がないということになる。…… 離婚した時から2年以内なら請求できる」(『暮らしの法律 こんな時どうなる』近藤康二弁護士著 雄鶏社 より一部抜粋)


日本の民法では、夫婦の財産に関する制度として「夫婦財産契約制」と「法定財産制」があり、財産契約を結んでいない夫婦の場合は自動的に「法定財産制」が適用されます。
この制度、作られたのは明治時代ですが「夫婦財産契約制」は日本の習慣になじまないことや手続きが煩雑で厳格ということから現在までほとんど利用されてはいません。


法定財産制とは

「法定財産制」では、夫婦の財産は特有財産、共有財産、実質的共有財産の三つに分けられ、離婚時に財産分与の対象になるのは主に共有財産と実質的共有財産です。
特有財産結婚前から各自が持っていた財産や結婚中に相続や贈与等で自分の名前で取得した財産。社会通念上個々の持ち物と考えられる物(例:装身具)
共有財産夫婦共同名義で購入した財産
実質的共有財産貯蓄や不動産など夫婦の一方の名義であっても夫婦が協力して得たと考えられる財産



夫婦財産契約制とは

「夫婦財産契約制」とは、「夫婦の財産の帰属、その管理法、夫婦共同生活の費用の分担等について結婚前に契約を締結する」というもので、第三者に対抗するためには登記が必要です。原則結婚後の変更は認められません。

共働きが普通になりつつある日本、共働きの夫婦の中には三つの財布を使い分けている人達がいます。ひとつは食費や光熱費など家族の生活費のための財布です。その財布には夫婦で話し合って決めた金額をそれぞれが出し合います。
残りの2つの財布は自分の「収入?生活費」をいれる財布で個別に管理します。その財布に入った金銭の使途や貯蓄等は自由でお互いに干渉しません。

このような夫婦の場合、個々の名義で作った貯蓄は特有財産扱いとなります。これは「夫婦財産契約制」の精神を生かした家庭運営といえるでしょう。



離婚を想定して結婚する人はいないでしょうが、離婚理由に「暴力」「性格の不一致」「親・兄弟等との不仲」など結婚後に発生する問題が上位に上がっています。
離婚が珍しくなくなった現在、「三つの財布方式」や「夫婦財産契約制」は当たり前という時代が到来しそうな予感がします。さてあなたはどうしますか?

司法統計年報より一部抜粋
平成14年の離婚件数は28万9838組で、前年の28万5911組より3927組増加した。
離婚率(人口千対)は2.30で、前年の2.27を上回り、離婚件数とともに明治32年以降最高となった。
離婚件数を同居期間別にみると、10年未満で前年より減少しているが、10年以上では増加している。



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