公社債は市場で売買される
国債や地方債など公社債への投資スタイルは「募集期間中に応募・購入し、償還までじっと持つ」というのが一般的です。公社債を「安全で納得の利率を一定期間固定で確保できる金融商品のひとつ」として資産運用に組み込んでいる人も少なくありません(利率…額面金額に対する利息の割合)。利率の高い債券を保有している場合はそれでO.K.ですが、利率の低いものしかないとか、期間が長すぎる、などちょっぴり不満な場合は、公社債の店頭売買市場に目を向けてみましょう。希望の利回り(利回り…投資元本に対する1年間の収益の割合)の債券を得る事ができるかもしれません。
では、ワンランク上の債券投資の基本「購入する」「売却する」を説明していきましょう。
既発債を購入する
う~ん、利回りのいい債券がなくなったな…。
公社債の売買価格は、取り扱う証券会社や銀行によって異なります。その参考に使えるのが日本証券協会が毎日発表する「公社債店頭売買参考統計値」です。日本経済新聞では朝刊の「マーケット総合1」に掲載しています。
例えば、2005年12月に利率0.8%で発行された中期国債第25回債(利付5年)。この既発債の2006年2月の店頭価格は98.98円でした。これを購入し償還まで持った場合の利回り(=最終利回り:既発債を購入し、償還時まで保有した場合の1年間あたりの利回り)は1.016%に跳ね上がります。
しかし、現在では、このように美味しい既発債はなかなか見つかりません。2007年6月に発行された中期国債第65回債(利付5年) 利率1.4%の店頭価格(2011年6月23日)は、101.27円です。この既発債を購入し償還(2012年6月)まで所有した場合の最終利回りは0.125%。これはインターネット銀行の1年定期預金金利(100万円未満)よりかなり低い数字です。
既発債を購入する時の利回りのルールは、
- 債券価格が上がる ⇒ 利回りは下がる
- 債券価格が下がる ⇒ 利回りは上がる
公社債店頭売買参考統計値とは、公社債店頭市場での売買の参考となる価格・利回で、発表日前日の午後3時時点の売買参気配を日本証券業協会が統計処理して発表するものです。ダウンロードはこちらから
「買い」がダメなら「売り」はどうでしょうか。