株主にとってのメリットは?
株式分割でオイシイ思いをするのは企業の側だけではありません。株主にとっても、株式分割は朗報なのです。まず、株価が割高になれば、その分多くの売却益が期待できます。1株当たりの配当金に変わりがなければ、増えた株の分だけ、受け取る配当金も多くなります。1:10の株式分割が行われたなら、配当金も10倍になるのです。
また、すでにその株を保有している人だけでなく、これから買おうという人にとっても、株式分割によって購入単価が下がればそれだけ買いやすくなります。
10年足らずで2,048倍!
株式分割を語るのにもってこいなのが、ヤフーです。ヤフーは2005年3月末にもヤフーは1:2の株式分割を行っています。同社が1:2の株式分割を行ったのは、1997年11月4日に株式上場して以来、これでなんと11回目。1株の子孫が2,048株に増えているということになります。
日本のポータルサイトのトップに君臨しているYahoo!JAPANのトップページ。Yahoo!ファイナンスにお世話になっている人も多いだろう。 |
ヤフーの上場当時の公募価格は70万円、初値が200万円。現在の株価が22万円前後(2005年5月現在)。仮に70万円で1株買って、辛抱強く続けていたら、22万円×2,048株で約4億5,000万円。単純に考えて、70万円の元手が約640倍に増えたということになります。時価総額だけを捉えるなら、近年の日本では一番成長した企業ということができるでしょう。
期待どおりにいかないのがミソ
株式分割は配当のように年に1回、2回とパターン化されていないのがミソ。いままではなんの予兆もなかったのに、ある日突然、大胆な株式分割が行われることもあれば、年に1回は株式分割していたのに、急にパタリと行われなくなる場合も。また、いくらヤフーのように70万円が4億円以上になったケースがあったとしても、それは辛抱強くずーっと持ち続けていれば、という前提での話。
ある程度、株価が上がったところで、とりあえず利益を確定して安心したいと思うのが投資家というもの。実際に、ずっと我慢して持ち続けるにはよほどの忍耐力が必要かもしれません。
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