過去最高益のゴールドマン

2007年から尾を引いているサブプライム問題。メリルリンチでは有価証券の評価損として115億ドル(約1兆2000億円)を計上したことを明らかになりました。最終損益は98億3300万ドル(1兆500億円)の赤字となるようです。

さらに米大手銀行、シティグループでも235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上したと発表しました。こういった大手金融機関の損失により、アメリカだけで約10兆円の損失がでたということです。

そんな中、米証券大手ゴールドマン・サックスが過去最高益を達成しました。2007年9~11月期決算の当期純利益を、前期比2%増の32億1500万ドルとし、通期純利益(06年12月~07年11月)は同22%増の115億9900万ドル。

今回のサブプライム問題でことごとく損失を出している金融機関を尻目に、なぜゴールドマンだけが、利益を上げることができたのでしょうか。

空売りで利益を上げた

ゴールドマンがサブプライム問題の中で勝ち組になったのは、他の金融機関よりも早くサブプライム問題へ対策を講じたということもありますが、それだけではありません。

実は空売りをしたことが、今回の過去最高益達成をもたらしたといえるかもしれません。

ところで空売りとはどういう手法なのでしょうか?

簡単に言えば、株を持っていないのに、株を売ってしまうことです。信用取引の一種で、投資家の注文に応じて証券会社が調達してきた株を売却するのです。したがって、通常は買った株価よりも値上がりすることで利益を得るのですが、空売りの場合にはその逆。株価が下がったところで買い戻すことで、利益を取ることができるのです。
画像の代替テキスト
株価が下がれば利益が取れる。
250円で1000株空売りをした場合、株価が230円になれば、20円×1000株で、2万円の利益が出る

したがって、空売りは相場が下がっているときには有効な手段だといえます。しかし、多くの投資家が空売りをしてしまうと、それで株価の下落に拍車がかかることもあるのです。そうすると、たとえば今の日本市場のように、下げが下げを呼ぶという格好になり、市場を縮小させてしまう危険性もあります。

また売った株はいつかは買い戻さなければならないので、もしみんなが一気に買い戻しをしたら、株価の上昇を招いてしまいます。株価が上がり、買値を上回ると損失が発生し、それ以上の損失を防ぐためにさらに買い戻しが入ってしまいます。こうして、損失が拡大する可能性もあるのです。

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