文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
【物価スライド】って何?
年金は、何十年も先の老後の生活を支える大切な収入源ですよね。
だから、物価の変動などにより、受け取る年金の貨幣価値が大きくブレると、若い時から描いてきた自分らしい生き方が出来ないばかりか,実際に必要な生活費と年金の差を埋める努力も将来必要となります。
もちろん、その時健康で働ければいいのですが、そうでない場合も考えると、物価変動による受給額のブレは、将来につけを残すために不安の要因になります。
このように、リタイア後の自分らしく生きるための資金作りには、物価変動にきちんと対処しながら老後資金を準備していくことがポイントになってきます。
ただし、これは、そう簡単なものではありません。安全確実とされる預貯金だけでなく、利殖性の高いリスクの大きい金融商品も利用しながら、できるだけ物価上昇分を上回る利回りで資金を運用しつづける努力が必要となります。
金融商品の運用ばかり考えて毎日過ごせるわけも無く、これは日々仕事に追われながら並行するものですから、個人で対応していくことは、なかなか困難だということがお分かりいただけると思います。
そんな個人で作る年金と比較して…公的年金制度には「物価スライド」というしくみがあるのです。
まさにこれこそが、物価の変動にも対応できる年金額見直しシステムです。物価変動分を翌年の年金額に加味して見直し、年金の貨幣価値を損なわないようにする仕組みが「物価スライド制」なのです。