今回の改正によって改善されたのは、自分の保険料納付記録に基づく老齢厚生年金を100%受取れるということです。
↓ ↓
【自らの保険料納付が給付額に反映される仕組み】
(1)妻自身の老齢厚生年金は全額支給する
(2)現行の遺族年金の水準を(1)と比較して、(1)が少額の場合は、差額を遺族厚生年金として支給する。
確かに、自分の納付記録に基づく老齢厚生年金を100%受給できるという点では評価できます。しかし、今度は遺族厚生年金100%受取れるわけではなく、遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の差額分だけを受取れることとなり年金額の内訳が変わるだけで、改正前と改正後の受取額には変化はありません。
遺族の生活が困窮しないように支給される遺族年金の支給目的を考えると、厚生年金の加入記録のある働いていた妻は、自分の老齢厚生年金があるので、まったくない専業主婦よりも給付を薄くしてもいいということになるのでしょう。
このように、一般的に働いて収入が得られるとみなされている男性には年金を支給しないし、働いている女性には必要な部分だけに限って支給するという考え方が遺族年金の根底にあるようです。
社会保障制度に損得勘定を持ちこむこと自体が間違っていると思うのですが、今回の改正によって以前から問題視されていた不公平感がすっきりしたわけではなく、今後も共働き家庭の妻の不満は、消えることはないでしょう…
(2004年11月更新しました)
◆関連リンク
あなたの年金額をシミュレーション
あなたのギモンに回答!「国民年金基金」をもっと詳しく
世代別の人気年金プランはコチラ