文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
公的年金は老後の生活保障の柱となるものですから、どのように世の中が変化していったとしても、ずっと将来も貨幣価値が損なわれること無く、一定レベルの収入源として確保できる安心を提供しなければならない使命をもっています。
「貨幣価値を損なわず年金の実質的価値を保証する」ために、厚生年金では5年に1度の財政再計算ごとに現役世代の一人あたりの賃金の伸び率に応じて給付水準を改定する「賃金スライド」によって、また国民年金(基礎年金)では、賃金や消費支出の伸びなどを総合的に勘案して政策改定を行なってきました。
また、すでに年金を受給している65歳以上の人の場合は、物価の伸びに応じて年金額の改定を行なっています。(「物価スライド制」)
では、現在検討されている「保険料水準固定方式」が採用された場合、年金の給付水準の調整については、どのように行なわれるのでしょうか。
厚生年金、国民年金(基礎年金)いずれにも共通して、賃金や労働力人口といった社会全体の保険料負担能力(支える力)の減少が反映された調整率によって改定されることになりそうです。←これがマクロ経済スライド