20年以上の公務員なら、一律で20%増となる職域加算がもらえる
共済年金の最も大きな特徴は、「職域加算」があることです。職域加算は、報酬比例部分の年金額の20%に相当する額で、例えば厚生労働省が公表している標準的なモデル家庭の場合で厚生年金と共済年金を比較してみると、約2万円の差となります。つまり、これが職域加算の部分なのです。
年金額が多い分、在職中の負担も重いのか?となると、こちらはそうとは言えません。
保険料(共済年金では掛け金)について比較してみると、厚生年金は14.288%(平成17年9月分~)なのに対して、国家公務員共済は14.638%、地方公務員共済は13.738%で表面上はあまり差はありませんね。
ところが、この共済の掛け金率は職域加算分も含めた率なので、職域加算分にあたる掛け率を除いて比較してみると、それぞれが13.5%と12.7%となり、公務員は民間サラリーマンとほぼ同じ負担で、20%割増の退職年金を受給でき有利であることがわかります。
ただ、共済組合側にも言い分があります。公務員にも民間の企業年金部分の恩恵があってしかりだ!というもの。だから、当然のことながら「職域加算」廃止については、共済側からの強い抵抗があるのはいうまでもありません。
しかし、共済の掛け金の労使折半分は公費(税金)でまかなわれているため、雇用環境が厳しさを増す民間の実情をきちんと理解しておかないと、「職域加算」存続への国民のコンセンサスは得にくいかもしれません。
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