「新たなスタート」を迎えるときは、手続きを忘れずに! |
種別が変わったときの届出には注意!
前述の事例でみたように、転職や結婚の際には公的年金の種別(第2号→第3号等)が変わります。それに伴って種別の変更手続きが必要になります。主な、種別変更時の届出については、下記表のとおりです。
変更前 | 変更後 | 種別の変更 | 届出 |
自営業 フリーランス |
会社員 | 1号→2号 | 就職した会社の人事で 手続きしてくれる |
会社員 | 自営業 フリーランス |
2号→1号 | 住所地の市(区)町村で 自分で手続きする |
会社員 | 失業 (求職中) |
2号→1号 | 住所地の市(区)町村で 自分で手続きする |
会社員 | 専業主婦 (夫:会社員) |
2号→3号 | 夫の会社の人事で 手続きしてくれる |
会社員 | 専業主婦 (夫:自営業) |
2号→1号 | 住所地の市(区)町村で 自分で手続きする |
専業主婦 (夫:会社員) |
専業主婦 (夫:自営業) |
3号→1号 | 住所地の市(区)町村で 自分で手続きする |
専業主婦 (夫:自営業) |
専業主婦 (夫:会社員) |
1号→3号 | 夫の会社の人事で 手続きしてくれる |
専業主婦 (夫:会社員) |
会社員 | 3号→2号 | 就職した会社の人事で 手続きしてくれる |
この表でもわかるように、就職したり、会社員の夫(配偶者)の扶養に入るなど、第2号被保険者や第3号被保険者になった場合は、就職した会社や夫の勤務する会社で種別変更の手続きをしてくれます。
しかし、会社を退職したために第2号被保険者から第1号被保険者になった場合や、夫が会社を退職したために第3号被保険者から第1号被保険者になった場合、さらには、離婚や収入が増えたことにより、夫の扶養からはずれ第3号被保険者から第1号被保険者になった場合などについては、自分で市(区)役所で種別変更の届出をしなければなりません。
また、第3号被保険者の届出については、現在は、前述のとおり、夫(配偶者)の会社で手続きしてくれますが、以前は自分で市(区)役所で手続きをすることになっていたため、届出漏れが多く発生していました。そこで、現在は、申し出れば当時の届出漏れ期間について、救済される措置が行われています。
転職時の加入漏れは、将来の年金の受給資格や年金額を左右する!
年金の加入期間は、月を単位として計算され、被保険者資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までが加入期間になります。転職した場合を例にすると、資格取得日とはその会社に就職した日であり、資格喪失日とは、会社を退職した日の翌日となります。
したがって、月の初日に入社しても末日に入社しても、その月から加入期間になりますが、月の末日に退職した場合と末日以外で退職した場合には、加入期間が1ケ月ずれることになります。
例えば、9月30日にA社を退職した場合、資格喪失日は10月1日となりますので、厚生年金(第2号被保険者)の加入期間は前月の9月までになります。そして、10月10日に再就職したとすると、10月から厚生年金(第2号被保険者)期間となり、加入期間は途切れることなく算入されます。
一方、9月20日で退職する場合、喪失日は翌日の9月21日となりますので、厚生年金の加入期間は前月の8月までになります。10月10日に再就職した場合、9月については自分で国民年金(第1号被保険者)の保険料を支払わないと、その月は滞納期間となり、1ケ月の空白期間が生じてしまいます。
将来困らないように、加入歴・納付記録は今からチェックしておこう!
このように、転職や結婚などにより公的年金の加入制度が変わったり、種別が変更となった際、それに気付かずに手続きなどを怠ってしまうと、将来の年金の受給資格や年金額に影響を及ぼすことがあります。
保険料の支払いや手続きの手間など、負担になることもありますが、長い目で見れば自分の年金として返ってくる大切なことです。一度は自分の加入記録を確認しておくようにしましょう。それには、下記の社会保険庁のインターネットサービスを利用するとよいでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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