1歩1歩上ってきた"年金の階段"の上には?

「将来の年金額を知りたい!」というとき、自分がどのくらい保険料を納めてきたのかという記録がとても重要になります。その記録を元に将来の年金額が決定されるからです。特に、厚生年金に加入したことのある人は、保険料を納めた期間と保険料の計算の基礎になった給与の額が重要です。加入した年金ごとの期間、保険料の計算の基礎になった給与の記録を「保険料納付記録」といいます。

4月から始まった離婚時の年金分割も、実際に分割するのはこの保険料納付記録です(「離婚した場合、年金は分割されるの?」参照)。夫から妻への分割であれば、夫の厚生年金の保険料納付記録を妻へ分けるという仕組みになっています。分割された記録を元に計算した年金がそれぞれの将来の受取額となります。

今回は、この保険料納付記録の考え方や、記録から年金額を知る方法をご案内します。

保険料納付記録からわかることは?

保険料納付記録には、国民年金の保険料納付記録と厚生年金の保険料納付記録があります。国民年金の保険料納付記録には、保険料を納めた期間が載っています。一方、厚生年金の保険料納付記録には、保険料を納めた期間だけでなく、これまで納めた保険料の計算基礎となった給与(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)の記録が載っています。

「標準報酬月額」とは、厚生年金の保険料計算の事務を簡素化するために、原則として4月~6月の給与の平均値(報酬月額)を、1等級(98,000円)から30等級(620,000円)に区分された等級表に当てはめた額のことです。

標準報酬月額の決定の方法を具体例で見てみましょう。
【例】
4月の給与支給額 249,300円
5月の給与支給額 232,640円
6月の給与支給額 251,970円
※ 税金等控除前の支給額
基本給だけでなく残業手当などの手当も含む
    
3ヶ月の平均額
(249,300円+232,640円+251,970円)÷3=244,636.66…円
平均値(報酬月額)は244,636円

上記の報酬月額を下の表に当てはめると、15等級に該当し、標準報酬月額は240,000円となります

【標準報酬月額等級表(抜粋)】
標準報酬月額等級 標準報酬月額 報酬月額
12 190,000 185,000円以上 195,000円未満
13 200,000 195,000円以上 210,000円未満
14 220,000 210,000円以上 230,000円未満
15 240,000 230,000円以上 250,000円未満
16 260,000 250,000円以上 270,000円未満
17 280,000 270,000円以上 290,000円未満

この標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの保険料算定に適用されます。このように、毎年4月~6月の給与の平均額で見直しを行います。

なお、平成15年4月からは「総報酬制」が導入され、毎月の厚生年金の保険料と同率の保険料が賞与からも徴収されるようになりました。賞与支給額の1,000円未満の端数を切り捨てた額(ただし、1回の支給額が150万円を超える場合は150万円)を「標準賞与額」といい、保険料算定に適用されます。

この標準報酬月額や標準賞与額は、保険料の算定だけでなく、厚生年金から支給される老齢厚生年金の額を計算する際の「平均標準報酬月額や平均標準報酬額」を求めるための大切な記録なのです(「すぐわかる!年金額の計算方法」参照)。

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