年金にも税金?! |
受け取った年金の税金は?
では、年金を受け取っている人の場合、確定申告時の年金収入の扱いについてはどうなるのでしょうか?年金収入には、公的年金、企業年金、個人年金などがありますが、すべて1ページに挙げた所得の中の「雑所得」に当たります。ただし、公的年金のうち障害年金と遺族年金は、金額に係らず非課税扱いとなります。
公的年金である老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)は所得税の課税対象となりますが、これらの老齢年金の収入から「公的年金等控除額」を控除した額が雑所得となります。公的年金等控除額は、毎年12月31日現在の年齢(例:平成19年中に受け取った年金については平成19年12月31日での年齢)と年金収入の金額から以下のように計算します。
年齢 | 1年間の年金収入(A) | 公的年金等控除額 |
65歳未満 | 130万円未満 | 70万円 |
130万円以上410万円未満 | (A)×25%+37万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | (A)×15%+78万5,000円 | |
770万円以上 | (A)×5%+155万5,000円 | |
65歳以上 | 330万円未満 | 120万円 |
330万円以上410万円未満 | (A)×25%+37万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | (A)×15%+78万5,000円 | |
770万円以上 | (A)×5%+155万5,000円 |
公的年金等控除の対象となる年金は、公的年金以外にもあります。主な年金を公的年金等控除の対象となるもの、ならないものに区分すると、以下のようになります。
対象となる年金 | 対象とならない年金 |
・公的年金である老齢基礎年金や老齢厚生年金 ・企業年金である厚生年金基金や確定給付企業年金 ・国民年金基金の老齢年金 ・確定拠出年金の老齢給付金 |
・個人年金保険の年金 ・変額個人年金の年金 |
先ほどの事例のサトウさんは、国民年金基金に加入する第1号被保険者なので、65歳から老齢基礎年金と国民年金基金の老齢年金を受け取ります。満額の老齢基礎年金を受け取るとすると、1年間の年金収入は
となります。年金収入が330万円未満なので、公的年金等控除額が120万円となり、結果として雑所得は0となり所得税はかかりません。
公的年金等控除の対象とならない個人年金も、払い込んだ保険料を必要経費とみなして年金収入から差し引くことができます。雑所得として課税対象となる額は、以下のように計算します。
雑所得=年金収入(B)-必要経費((B)× | 支払保険料総額
年金の支払総額または支払総額見込額 |
) |
雑所得の計算の仕方は、まとめると以下のようになります。
平成18年の平均余命は65歳男性で18.45年、65歳女性で23.44年なので、男女とも平均では80歳を過ぎるまで老齢年金を受け取ることになるといえます。「この保険料で将来いくら位の年金が受け取れるのか?」と、ついつい保険料と年金の受取額で加入する年金を選びたくなってしまいます。しかし、保険料の支払期間と給付の受取期間が長い年金は、節税効果まで考えて選択すると、よりメリットの多い選択ができるといえます。老後の年金を考える際は、いろいろな角度からチェックするようにしましょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
◆関連リンク
あなたの年金額をシミュレーション
あなたのギモンに回答!「国民年金基金」をもっと詳しく
世代別の人気年金プランはコチラ