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確定申告に向けて?年金の税制を確認しよう

確定申告を間近に控えたこの時期、年金の支払い保険料や受け取った年金収入と税金との関係をチェックします。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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確定申告間近!年金と税金の関係をチェックしましょう
新しい年を迎え、気持ちも新たに「今年こそは…」と新しい目標や仕事に取り組みたくなる頃です。新しい目標や仕事の準備だけでなく、フリーランスや自営業の人などは昨年の収入に関する確定申告の準備を始める時期を迎えました。今回は、確定申告も近いこの時期、年金と税金の関係を確認していきましょう。  

所得税のしくみ

確定申告は、1年間の収入に対する税金を納付するための手続です。確定申告で納付する税金は国に納める「所得税」で、所得税は1年間の収入に課税されるのではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得」に対して課税されます。

所得については、それがどのようにして得た収入なのか(例えば給与や賞与による収入であれば「給与所得」、自営業など商売で得た収入であれば「事業所得」というように)、発生事由ごとに計算していきます。所得は全部で10種類に分類されますが、そのうちの8種類の所得は合計し、総所得を算出します。さらに、総所得から該当する「所得控除」を控除した額(課税所得金額)を出し、それに税率をかけて納付すべき所得税を計算します。
 
 

公的年金の保険料は?

まずは、支払った年金の保険料について、税制上の扱いを見ていきましょう。

1年間に支払った国民年金や厚生年金保険の保険料は、その全額を所得控除である「社会保険料控除」として、総所得金額から控除することができます。

●自営業者やフリーランスの場合
国民年金の第1号被保険者である自営業者やフリーランスは、申告書を作成して確定申告をします。事業収入のみの人の場合、事業所得を計算した後、1年間に納めた国民年金の保険料を所得から控除することができます。

また、第1号被保険者である自営業者やフリーランスは、公的年金の上乗せとなる国民年金基金に任意で加入することができます。国民年金基金に加入して納めた掛金は、国民年金の保険料と同様、全額を社会保険料控除として所得から控除することができます。

それでは、事例を使って所得税額を計算してみましょう。
(例)
フリーのイラストレーター、サトウさん(男性、昭和47年4月生まれ、35歳)の年収は800万円、事業所得を計算し、その他の控除を差し引いた後の所得が500万円だったとします。課税所得500万円に所得税が課税されると、納税額は、
 
500万円×20%?42万7500円=572,500円

となります。1年間納めた国民年金の保険料を社会保険料控除として控除すると、納税額は
 
(500万円?168,480円※1)×20%?42万7500円=538,804円

となり、納付すべき税額が約33,000円安くなります。

さらに、サトウさんは平成19年1月、国民年金基金の終身年金A型(年金額36万円/年)に1口加入しました。国民年金基金の1年分の掛金を控除すると、納税額は

(500万円?168,480円※1?200,160円※2)×20%?42万7500円=498,772円

となります。納税額はさらに約40,000円安くなります。
 
※1
平成19年1~3月までの保険料
13,860円×3ヵ月=41,580円…(1)
平成19年4~12月までの保険料
14,100円×9ヵ月=126,900円…(2)
(1)+(2)=168,480円
※2
国民年金基金加入時のサトウさんは34歳なので、終身A型1口の掛金が1ヵ月16,680円、1年分で200,160円となる。

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