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療養中の収入も6割保障!健康保険でリスクマネジメント

給料から自動的に引かれている健康保険料。でも、その給付内容を意外と知らない人も多いのでは?長期休養に関わる給付を解説します。

執筆者:上野 やすみ

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健康保険の役割、知ってますか?
病院に行くときに必ず持っていくのが健康保険証。毎月お給料から健康保険料が引かれていますが、この健康保険でカバーされる内容を知っていますか?実は、知らないがために本来もらえるべき給付をもらいそびれている人も多いそうです。民間の保険を考える前に、まずはこちらを覚えておきましょう。

会社員の健康保険には2種類ある

公的な医療保障には会社員の人が加入する「健康保険」とフリーランスなど会社員以外の人が加入する「国民健康保険」があります。さらに健康保険の中には「組合健康保険(主に大企業)」と「政府管掌健康保険(政管健保)」の2つがあります。会社員の人で自分がどちらに加入しているかわからない場合は保険証に書かれている「保険者」というところを見てください。そこが運営している主体で、「○○健康保険組合」と書いてあれば組合健保、「○○社会保険事務所」と地域の社会保険事務所になっていたら政管健保です。

これらいずれも病院で治療を受けたときに窓口で支払う自己負担額は、かかった医療費の3割です。7割は国が負担してくれているわけですが、平成15年度に会社員の自己負担は2割から3割へ増加しました。少子高齢化が進んでいるためこれからも自己負担の増加が予想されます。制度の改正には注意してください。

基本的にどの保険制度に加入していても法律で決められた給付は一緒ですが、組合健保はさらにプラスアルファーの給付が受けられます。内容は組合ごとに異なるので、組合に確認してみましょう。

この自己負担3割も長期入院や手術などになったら大きな金額になってきます。それをカバーする給付はこちらです。

1ヶ月の医療費が一定額を超えたときには「高額療養費」

1ヶ月の医療費が72,300円を超えたら高額療養費を申請しましょう
1ヶ月の自己負担額が一定額を超えた場合に家計の負担が重くなりすぎないよう、限度額を超えた分が高額療養費として、後から払い戻されます。自己負担する上限額は「72,300円+(医療費?241,000円)×1%」で計算されます。例えば、医療費の総額が1ヶ月で100万円かかった場合、窓口では3割の30万円をいったん支払います。そして、この計算式に当てはめてみると、「72,300円+(100万円?241,000円)×1%=79,890円」でおよそ8万円が自分で負担する額で、窓口で支払った30万円から8万円を引いた残りの22万円は高額療養費として払い戻しを受けられるのです。

ただし、入院時の食費(入院時食事療養費)は支給対象にはなりません。1日につき780円が自己負担となるため、30日間入院したら23,400円を支払います。これと合わせて約10万円の自己負担ということになります。

また、1ヶ月は暦の上で月の1日から末日までです。月をまたがった場合は分割されてしまうので、自己負担額が多くなる可能性があります。保険が適用にならない高度先進医療なども対象外。入院と通院は別、診療科別、医科・歯科は別に計算するようになりますが、21,000円以上のものは合算することができます。

大事なのは、「自分で申請しないと払い戻しを受けられない」ということです。社会保険事務所や健保組合など自分が加入している保険制度から払い戻しが受けられる旨の通知が送られてくるところも多いですが、単なる明細書と思って捨ててしまう人もいるようです。時効は2年。まだ、間に合うものがあるかもしれないので、2年以内に入院など医療費がたくさんかかった人は調べてもらうといいでしょう。

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