比較するポイントが分かれば、株式投資も楽しくなる! |
<記事のINDEX>
1.財務の安定性がわかる「株主資本比率」(1ページ目)
2.経営の効率性がわかる「ROE(株主資本利益率)」(1ページ目)
3.お買い得度がわかる「PER(株価収益率)」(2ページ目)
4.株価の底値がわかる「PBR(株価純資産倍率)」(2ページ目)
財務の安定性がわかる「株主資本比率」
1つめの指標は、「株主資本比率」。企業の財産のうち、「返さなくていいお金」はどのくらいかを表したものです。逆の言い方をすると、「返さなければならないお金=借金」が多いか、少ないか、がわかる指標です。表向きは「資産がいっぱいある」と見えても、「実は借金で買ったんです。」ということなら、それはまだ本当の資産ではないですよね。資産を手に入れるために、どこからお金を用意したかをきちんと知ることで、本当の財産状況が分かるというわけです。
「返さなくてもいいお金」とは、「株主からの出資金」と「企業が利益の中から蓄えたお金」で、これを「株主資本」といっています。全体の資産のうち、株主資本がどのくらいあるかを表したのが、「株主資本比率」なのです。ちなみに、株主資本のことは「自己資本」「純資産」という言い方もします。
株主資本比率=株主資本÷総資産×100
安全性の目安は少なくとも30%以上、株主資本比率が高いほど財務の安定性が高いといわれています。特に、金利上昇が予想されている現在のような状況のときには、「金利が上がる→借金の利息が増える→利益を圧迫する」という恐れがあるので、借金が多い企業は株式投資においてマイナス材料となるので注意が必要です。
経営の効率性がわかる「ROE(株主資本利益率)」
2つめの指標は「ROE(株主資本利益率)」。株主からの出資金を効率よく使って経営を行い、利益を生み出しているかがわかる指標で、「当期純利益」を「株主資本」で割ることで求めることができます。ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本×100
ROEは2~3%が標準、10%以上なら収益性が高いといわれており、成長性が見込め、配当金などの利益も期待できます。
ただし、分母の株主資本が少ない会社はROEが高くなってしまいます。また、土地や株式などの売却で一時的に利益が増えたときでもROEは高くなるので、過去の推移もよくみたり、同業他社と比較したりして判断しましょう。
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