複数の投信を評価・比較する方法がわかる
/aajg-417-22/ > |
投信を比較する方法から、目標利回り・資産配分の仕方、購入後のチェック方法までわかります |
●リスクの大きさを示す指標「標準偏差」
資産運用の世界では、「リスク」は価格や運用成績のバラツキのことを指します。想定した運用成績よりも下がりすぎることだけでなく、上がりすぎるのも「リスク」なのです。
例えば、5年間の運用成績の平均が5%だったとしても、1年め▲25%、2年め5%、3年め5%、4年め20%、5年め20%という成績だったら、一番利益が出たときの20%と、一番損をしたときの▲25%との差は「45%」になります。これは、毎年コンスタントに5%のリターンを出している投信よりもリスクが高い投信ということになります。
このような、リスクの大きさを示す指標には「標準偏差」があります。これは平均値とどのくらいブレがあったかを表すもので、標準偏差の数値が大きいほどリターンのブレも大きいことになります。Aファンドの標準偏差が15.15、Bファンドは17.25だとしたら、Bファンドの方がリターンのブレが大きいということです。
●より効率的に運用している投信がわかる指標「シャープレシオ」
モーニングスターのサイトでは、運用実績や資産残高、手数料などから絞込みができる「ファンド検索」もあります! |
年間8%のリターンをあげる投信が2つあって、一方のリスクが10%、もう一方が8%だったら、あなたはどちらを選びますか? 同じリターンが得られるなら、できるだけリスクは低い方がいい。後者のリスク8%の方を選ぶのではないでしょうか。その逆もしかり。リスクが同じならば、できるだけリターンが高い方を選びたいと思うものです。
そこで、複数の投信でリスクとリターンの関係を比較しやすくするためにできた指標が「シャープレシオ」。リターンの数字をリスクの数字で割って計算します。この数字は、その投信がどれだけ効率よく運用しているかを表しており、数字が大きいほど効率性が高いことを意味します。
例えば、Aファンドはリターン8%・リスク10%、Bファンドはリターン6%・リスク8%で比較してみると、Aファンドは8÷10=0.8、Bファンドは6÷8=0.75となり、Aファンドの方が効率性が高いということになります。
これらの指標は、モーニングスターのホームページでも投信ごとに掲載されているので、自分で計算しなくても大丈夫。数値の意味がわかっていれば、複数の投信も比較して選ぶことができるようになります。
この本では、国内株式型、外国株式型、国内債券型、外国債券型、バランス型など、それぞれの分類ごとに、比較する基準なども具体的に紹介されています。また、目標利回りを知るための7ステップ、購入後のチェック方法などについても書かれているので、本格的に資産運用を考えてみたいという人は、参考にしてみるといいでしょう。
<関連記事>
・知っておきたい!投資信託3つの手数料
・これでスッキリ!ファンド選びの最初の一歩
・名前に注目!投資信託はじめの一歩
・知っておきたい!投資信託3つの会社と役割