貯蓄/貯蓄するときの落とし穴と注意点

倒産リスクに気をつけよう!(1) 元本保証はほんとうに安全?(2ページ目)

元本保証!と聞くと、「安全!」と思われる人が多いのですが、ほんとうにそうなのでしょうか?元本保証の意味を考えながら、資産形成を行なう上で、たいへん大きなリスクについて考えてみます。

執筆者:上野 博美

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こんなときは?

「銀行がお金を貸しているある企業が倒産しましたが、銀行は破綻しませんでした。」

この場合には、銀行は破綻していないわけですから、預金者と銀行との約束は守られ、元本と利息はきちんと戻ってきます。

 これは、銀行が貸し先の倒産リスクを請け負ってくれているからです。銀行が差し引く融通代の中にはリスク請負賃も含まれていることになります。銀行は貸出先のリスクも背負うわけですから、貸出先の状況についてきちんと調べることは“当然”のことです。(銀行は、私たちの大切なお金を企業等に貸すわけですから、貸出先のチェックを銀行がきちんとしているかどうかを私たちも注意して見る必要があります)

こんなときは?


「銀行がお金を貸しているある企業が倒産したことによって、銀行も破綻してしまいました。」

この場合、私が銀行に預けたお金は倒産した企業には貸し出されていないかもしれません。お金には名前がついていないのです。倒産企業に私のお金は流れていないかもしれないのに、私の預けたお金が戻ってこないなんて、「納得できない!」と思いませんか?

破綻の心配がない良好な体質の銀行であっても、銀行の貸出先の企業が倒産すると、「倒産企業に貸し出しをしている銀行も危ないかも??」「とりあえず自分のお金を引き出しておこう」と、預金を引き出す人が殺到するかもしれません。そうすると、本来破綻しなくてもよいはずの銀行まで破綻するかもしれず、お金を融通するしくみの信頼が損なわれ、日本の金融システムがマヒしてしまう可能性が高くなります。

そこで、自分のお金がどこに行っているかわからないこの融通方法の場合には、預金保険によって「1000万円とその利子まで」は約束を守ることができるようにと安全ネットが張られています(詳細は預金保険制度、再確認!「銀行が破綻したら?」
で)。

つまり、銀行が間に入ってお金を融通する「間接金融」の場合には、預金者の受けるダメージはかなり限定されていることになります。

一方、私たちが、企業に直接お金を貸し、その貸し賃として企業から利息を受け取る方法もあります。これは次回「倒産リスクに気をつけよう!(2)元本保証商品こそ見極めを!」で!

/上野博美

関連リンク
預金保険制度、再確認!「銀行が破綻したら?」
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