ちょっとだけ、専門用語を知っておこう
前ページの内容を少しだけ専門用語を使って説明すると、債券とは、「満期日が来たら、額面金額が受け取れる。また利払い日には、表面利率で計算された利息が受け取れる」というものです(別のタイプの債券もあります)。債券の具体的な条件(イメージ)
■年利率(表面利率)
債券の表面に書かれている利率を、「表面利率」「クーポンレート」といいます。さきほどのチケットの「年利率1%」の部分です。利率が満期まで変わらない債券が一般的ですが、利率が変わるものもあります。また、債券では「利回り」という言葉もよく出てきますが、利率と利回りは意味が違いますので気をつけてください。
※利率と利回りの違いは、「おいしい数字に騙されるな! 高金利の意味」をご覧ください。
■額面金額(がくめんきんがく)
債券の表面に書かれている金額のことです。さきほどのチケットでは、「100万円もらえます!」の「100万円」です。満期日には、この額面金額が返ってきます。
■売出価格
新しく発行された債券を買うときの値段です。満期日に100万円が返ってくる債券でも、101万円や99万円で売り出されることがあります。買った人は利息ももらえるので、101万円で買っても損が出ない、という計算です。いろいろな種類の債券を比較しやすいよう、「額面金額あたり○○円」という表記をするというルールになっています。100万円の債券が101万円で売出されるなら、「額面金額100円につき101円」となります。
■満期日(まんきび)、償還期日(しょうかんきじつ)
お金を返す約束の日のことです。さきほどのチケットの「2023年10月20日に」の部分に当たります。債券では、5年物(ごねんもの)、10年国債、などという言い方で、発行から満期日までの期間を示します。
■利払い日
利息が支払われる日付です。さきほどのチケットでは、「毎年」と書いていますが、年2回にわけて受け取れるのが一般的です。
最近の債券は、目に見えません
「債券に書かれている~」という説明のしかたをしましたが、現在はコンピュータ化・ペーパーレス化が進んでいるため、紙でできた券が発行されるわけではありません。証券会社や銀行のあなたの口座に「こういう債券を、いつ、いくら分、買いました」という情報が記録されて管理されます。用語の「額面」「表面」という言葉に、紙の券を使っていた時代のおもかげが残っている、というわけですね。満期までもっていると最初に預けたお金が戻ってくる、途中で利息がもらえる、というと、定期預金に似ているように見えますが、大きな違いがあります。次のページで詳しく説明します。