毎月の生活費の分担方法は?
夫婦で毎月の生活費(住居費や食費・光熱費など)を分担する方法は大きく「全額一方負担型」「共通財布型」「項目別負担型」に分けられます。「全額一方負担型」は、夫または妻が、毎月の支出を負担する方法。「共通財布型」は、決まった額をあらかじめ双方で出し合い、1つの口座で管理する方法。「項目別負担型」は、住居費は夫、食費は妻のように項目で振り分ける方法です。ガイド平野が、ライフプラン相談にいらっしゃる方に家計の分担について伺うと、専業主婦世帯では「全額一方負担型」が多く、共働き世帯では、「共通財布型」や「項目別負担型」が多い傾向があります。最近は、「共通財布型」のご夫婦が増えてきましたが、共働き世帯でも、「全額一方負担型」を採用して、妻の収入は全額貯蓄をしている、という方もいらっしゃいます。
どの分担方法が一番いいの?
■「全額一方負担型」 予算管理しやすいが、妻に主導権が移る!?一番分かりやすい毎月の生活費の分担方法です。例えば、夫の収入で普段の家計の支出のやりくりをして、妻の収入は一時的な支出や貯蓄に回すという方法が考えられます。
夫の収入の範囲内で家計のやりくりをすることになるので、予算管理がしやすいという点と、妻が出産や子育てで休職して収入が減った場合でも、家計のやりくりができるという点で、メリットがあります。一方、妻名義の口座で貯蓄をすることになるので、貯蓄や投資、旅行や買い物などの主導権が妻に移りやすいという点で、夫にとっては注意が必要です。
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■「共通財布型」 貯蓄や投資に最適!
毎月決まった金額を負担し合うので、不公平感が少なく、家計の収支や貯蓄額が把握しやすいというメリットがあります。2人の貯蓄、口座という意識になりやすいので、2人で話し合いながら、貯蓄や投資をするのに最適な形といえるでしょう。
同じ共通財布型でも、注意しなければならないのは、毎月の固定費の分だけ家計に支出して、あとはそれぞれのお小遣いにするという方法です(意外とこのパターンが多いと感じています)。この場合は、消費体質になりがちで、貯蓄が思うようにできません。共通財布への支出額を決める際、貯蓄額を織り込むようにする必要があります。
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■「項目別負担型」 お互いがちゃんと納得していないと喧嘩の原因に……
「夫婦2人で話し合って、その支出項目をどちらが負担すると決めた」というよりは、何となく成り行きで項目別に負担しているというケースが多いようです。例えば、賃貸マンションを借りるときに夫名義で借りたので家賃は夫、料理を作るのは妻が多いので、食材費や生活用品は妻、といった感じです。
お互い納得して項目を決めたのなら良いのですが、毎月決まった金額を負担するというわけではないので、不公平感があります。例えば、光熱費を負担する側は、毎月の支払いが一定しないため、請求金額が増えてくると、「電気代がかかるから、部屋の電気は消して!」と言いたくなったりします。それに対し、負担しない側は、「そんな細かいことを言わないで!」と思ってしまうなど、喧嘩の原因になりそうです。
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生活費の考え方に正解はない。2人で納得できる答えを!
生活費の分担の仕方は、夫婦それぞれ千差万別で、正しい答えはありません。大切なことは、2人が納得するまで話し合うことです。そして修正しながら、自分達に合った最善の方法を見つけることだと思います。夫婦2人の共通の夢や目標をかなえるためには、「お金」という要素は欠かせません。この先、重大な人生の選択をするとき、「お金」という問題は必ず絡んできます。生涯ともに歩む人生のパートナーだからこそ、最初に「お金」のことについて十分に話し合う必要があると思います。
生活費をどう分担するかについて話し合うことは、2人が最初に取り組む、「お金」に関する「共同作業」なのです。
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