資産運用/資産運用をするときの鉄則

不動産投資は利回りが高い?

不動産の利回り表示で使われるものはおもに2つ、表面利回りと実質利回りです。不動産への投資を考えるなら、この2つの違いをしっかりおさえることは必須です。利回り表示の見方をマスターしましょう。

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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不動産の広告の利回りはほとんどが「表面利回り」
不動産の広告の利回りはほとんどが「表面利回り」
金利が上昇するきざしを見せ始めているとはいえ、まだまだ預貯金につく利息はわずか。そのような状況にあって、「このマンションに投資すれば、利回り10%!」などと聞くと、興味を持つ人が多いのは当然でしょう。

ところで、みなさんは投資用不動産の利回りがどのように計算されているかをご存知ですか? 不動産は、預貯金とは違います。利回り表示を鵜呑みにして、投資判断をするのはとても危険です。

利回り計算の基本を覚えておこう

利回りとは、「投資した額に対して1年間でどのくらいの収入を得ることができるか」を表したものです。これを計算式で表すと、以下になります。

年間収入÷投資金額×100

これが利回り計算の基本式です。しっかり頭に入れておきましょう。100万円を投資して1年間で1万円を得られた場合を考えてみると、「1万円÷100万円×100=1」となり、利回りは1%という答えがでてきます。

利回りにはいくつかの考え方があります。不動産の利回り表示で使われるものはおもに2つ、表面利回り(グロス利回り)と実質利回り(ネット利回り)です。不動産投資を考える前に、この2つについて理解しておきましょう。

■表面利回りの考え方
利回りを考えるとき、常にベースになるのが前述の基本式です。表面利回りの特徴は何かというと、年間収入に年間総収入をもってくること、投資金額には購入金額をあてはめて考えるところです。これを計算式で表すと、以下のようになります。

表面利回り=年間総収入÷購入金額×100

たとえば、年間収入が100万円見込める物件を1,000万円で購入した場合、「100万円÷1,000万円×100」で利回りは10%、これが表面利回りです。

■実質利回りの考え方
これに対して、物件の運用コストまで含めて考えたものが実質利回りです。実質利回りの場合、年間収入には、年間総収入から物件の運用コスト(管理費・修繕積立金、固定資産税、火災保険料など)を差し引いた年間純収入を使います。これを計算式で表すと、以下のようになります。

実質利回り=年間純収入÷購入金額×100

例えば、年間の運用コストが20万円であれば、「(100万円?20万円)÷1,000万円×100」という計算式が成り立ち、利回りは8%になります。

次ページでもっと厳密に利回りを考えてみよう!
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