資産運用/資産運用をするときの鉄則

アパート事業計画 3つのチェックポイント(2ページ目)

「アパートの規模はどのくらいにする?」「収益や費用はどの程度見込める?」「借入れはどうする?」など、アパート建築には事業計画が必須です。事業計画のポイントをまとめています。

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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事業計画・3つのチェックポイント

収支計算や所得計算を確認する
収支計算や所得計算を確認する
工務店やハウスメーカーが作成する事業計画書を見ると、建築の概要から予算、賃貸条件の内訳までが一覧できるようになっているのが一般的です。それとあわせて年度ごとに時系列で収支計算や所得計算が確認できるようになっています。以下におもなチェックポイントを挙げておきます。

■収入のチェックポイント
収入のチェックポイントは、賃料の下落と空室率を見込んでおくことです。あなたの手元にある事業計画書は、5年、10年を経過しても、新築のときと同じ賃料設定になっていませんか? 常に入居率が100パーセントという前提になっていませんか? 一般に、時の経過と共に賃料相場は下落し、空室率は上昇するものです。これらを見込んでいないような事業計画書は、信頼性に欠けるといえるでしょう。もちろん、最初の賃料設定そのものが近隣相場などと比べて妥当であることはいうまでもありません。

■支出のチェックポイント
支出としては、建物を維持し、管理するための費用、保険料、そのほか土地建物の固定資産税・都市計画税などがあげられます。ここで、ポイントになるのは建物を維持し、管理するための費用の見通し。アパートの事業計画を考えるにあたり、「自分は経営者だ」という意識をもって事業に臨むかどうかの差が出るところです。実際に、マメな大家さんは維持管理を人任せにせず、掃除からちょっとした修理までこなしてしまうものです。ただし、時間が避けないなど事情が許さない場合もあるでしょうし、サブリースをお願いしたいケースもあるでしょう。このようなときは、ある程度、もしくはすべてを人任せにするのもひとつの手段です(もちろん、その分費用がかかり採算性は低くなります)。その際は、維持管理にかかる費用が見込んであるかの確認を。また、将来的な修繕費用について、事業計画の中に折り込まれているかどうかも重要なポイントになるでしょう。

■ローン返済
ローンを組んで、収支計算がマイナスになるような事業計画はオススメできません。ローン返済にムリがないかどうかをしっかり確認しましょう。また、最近は、アパートローンを固定期間選択型で組むケースをよく見かけます。その場合、固定期間が終わった後の金利変動について考えておく必要があります。これを考慮していない事業計画書はもってのほか。低金利が定着し、すっかり金利変動に鈍感になってしまった私たちですが、全期間固定金利のローンでない以上、金利の上昇を計算に入れておくべきでしょう。

最後に大切なのは、不動産から得る収入にたいしてどの程度の所得税・住民税を負担するようになるかということ。ここまで考えて、はじめて「手元にいくら残るのか」を把握することができるということを覚えておきましょう。

一般に、採算性は利回りから判断されます。個人がアパートを建築する際に用いられる、もっともポピュラーな利回りは表面利回りです。表面利回りは、1年間の収入を工事費等の合計で割ったものです。事業計画で用いられているひとつひとつの数字について検討した後で出てきた利回りはそれなりに現実味を帯びたものとなっているはず。採算がとれるかどうかの投資判断を下すのにきっと役立つでしょう。

【関連リンク】
アパートローンと事業計画(All About 不動産投資・REIT入門)
マンション投資ローンは借りにくい?(All About 不動産投資・REIT入門)
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